マツダの「スカイアクティブテクノロジー」は量販車の性能を効率的に引き出す技術革新で、専門家筋の評価も上々で自動車業界も大注目です。マツダの開発者はこの結果にある程度は満足しているでしょうが、まだまだ燻る思いがあるようで、アテンザの発表会の席上で「次はスポーツをやります!」とひときわ大きい声での挨拶があったとか・・・。かつてのマツダが作り上げた名車RX-7をポルシェ911のように、半恒常的なラインナップとして販売し、スポーツメーカーとしてのマツダを再興したいという想いがそう発言させたのだと思います。
2000年代は峠で走れない偽物スポーツカーが跋扈した時代でした。峠で走るより信号が多い都会の道でよく見かけるスポーツカーがとても多くなりました。メルセデスSLKやBMW Z4といった峠をまともに走れないメタボスポーツカーは、平坦な道を好むドライバーが多い印象です。そんな疑似スポーツカーに混じって栄光のピュアスポーツ「FD3S」が街中をノロノロ走っているのを見ると悲しくなります。渋滞にでもハマったら燃費はとんでもないことになりそう・・・。
おそらく本当は思う存分FDを乗り回したいのでしょうが、経年でなかなか元気に走ってくれないという事情もあるのかもしれません。何かの記念日くらいにしかエンジンに火を入れないなんてオーナーもいるほどで、まるで貴重なコルトレーンのレコードに針を落とすのがもったいないという気持ちと同じようなものになっているようです。スポーツカーなんて走ってこそ価値があるのではと思うのですが。
早い話がマツダがさっさとRX-7を復活させればいいんじゃないかということなんですよね。2002年の生産終了から12年が経ちますが、その間にFDを完全に上回るスポーツカーは遂に現れませんでした。一番近いところにいたS2000も生産中止に追い込まれ、社会全体もスポーツカーなんていらないという時代が続き、人々はSNSやオンラインゲームに夢中になっていったので、ますます復活させにくい状況へと突き進みました。マツダの経営も2000年代の後半には悪化の一途を辿りました。
しかし2012年頃からやや風向きが変わり、ネットやゲームに飽きた人々がクルマに向かう時代が来たのでは?と個人的には感じています。東京MSも東京オートサロンもクルマ離れなんてウソのように客足は伸びていて、新車販売も2002年以降では最高の水準まで急速に回復しています。住んでいるマンションの駐車場も空きがこの1年でどんどん埋まりました。以前よりも若くしてかなりの月収を得られる仕事も増えていて、高いスキルを持つITエンジニアやネットビジネス経営者ならば、高収入とクルマを楽しむ時間の両立ができるようになったのも大きいと思います。
大学の頃にかなりクルマに対する憧れがあり、働きだしたらRX-8を買おうと思ってました。しかし想像以上に社会人の拘束時間は長く、クルマに乗る暇もないし、ディーラーに足を運ぶ余裕もないくらいでした。それが今では大学生の内からネットで起業みたいなことが割と低リスクでできる時代なんですよね。若者が免許取っていきなりマスタングを新車で買うみたいなケースが結構あるようです。
もしRX-7のような400万円程度で最高に楽しいクルマがマツダにラインナップされていれば・・・なかなか皮肉なことです。現行のアテンザやアクセラはいまいち気持ちが動きませんし、他のメーカーもそうですが、日本車はいろいろな意味でもう少し「過激」な部分があってもいい気がします。初代フーガやレクサスGSに設定されていたV8搭載モデルが無くなったとたんにフーガもレクサスGSもクルマとしての魅力が一気に冷めてしまいましたし、クラウンマジェスタも同じ運命を辿るでしょう。
マツダが本気でRX-7を復活させるかは未定ですが、マツダの開発者はやりたがっていますし、マツダはメインエンジンとしてのロータリーの開発を継続していると認めていますし、いまだにRX-7くらいキャラの立ったスポーツカーの決定版と言えるクルマが出て来ていないという現状(ケイマンもZも役不足!)と、あらゆる条件は揃っているように思うのですが・・・。
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↓イニDのサントラはこれ1枚に尽きますね。あとは蛇足か駄作。
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