「農道のポルシェ」として愛されたスバル・サンバーの生産が数年前に終了しました。この愛称の由来はというと、サンバーがなかなか珍しい、ポルシェと同じRR設計を採用していたことなのですが、実際のところはLSDなどのオプションもないので、ポルシェのような走りはなかなか難しいようです。片田舎のワインディングを呑気に走っていると、ごくたまに恐ろしく速いサンバーが出現したりしますが、普通車と互角のパフォーマンスを見せるサンバーの多くは実はAWD車だそうです。
知り合いのBMW・X1ユーザーが、「サンバーにちぎられた!」とショックを受けてましたが、これも多分AWDのスーパーチャージャーが相手だったのではないかと思います。そもそも軽トラ/軽バンは荷物を積載することが前提で、トラクションを確保しやすいということで後輪駆動が珍しくないです。サンバーの他にも現行のスズキ・エブリイとそのOEMモデルであるマツダ・スクラムや日産NV100クリッパーもFRです。エブリイの現行モデルは6代目になりますが、1991~1998年に作られた3代目はなんとMRです!
もちろんこれらの軽トラ/軽バンが一般的に150万円で買える商用車であったことが、コアなマニアにとってツボなのでしょうが、来年に日本でも発売される予定となっている新型のルノー・トゥインゴも150万円前後で発売される珍しいRR駆動ということで話題になりそうなモデルです。このクルマは新型スマート(年内に発売!)と共通の設計になっていてます。スマートと言えば先代までは三菱の軽/コンパクトの設計を流用していたのですが、今回はメルセデスとルノーによる「欧州タッグ」でコンパクトカーの頂点である日本メーカーに挑戦してきました(エンジンは三菱製のものも・・・)。
スマートはメルセデスディーラーで販売される、高級セカンドカーなので200万円〜といった設定になっていますが、トゥインゴはルノーのラインナップで1クラス上に位置しているルーテシアが200万円を下回る価格で絶賛発売中なので、いよいよ日本の軽自動車とガチンコの価格になりそうです(日本の軽自動車はちょっと高い!)。特にライバルとして比較されそうなのが、ダイハツ・コペンとホンダS660、そしてスズキアルトターボRSの3台のスポーティなKカーです。もしルノーが調子に乗ってトゥインゴ・カブリオレなるモデルを200万円を下回る価格で登場させれば・・・とりあえず人気になる?
トゥインゴの先代モデル(FF)はルノー・スポールによるホットハッチでしたが、今回もRRということで引き続きルノーのスポーティな横置きエンジンがそのまま使えます。先代のルノー・スポール車で使われた1.6L自然吸気であったり場合によってはジューク・ターボに使われている1.6Lターボ(190ps)の採用もあるかもしれません。850万円とかアホみたいな価格のアバルト695の半額以下で、めちゃくちゃスパルタンなクルマあるいは、完全なサーキット仕様・・・ルノーというメーカーの立ち位置を考えると十分に考えられます!
RRという希少な駆動方式がスマート/トゥインゴで採用された理由は定かではないですが、後輪駆動車ゆえの小回りの良さがこの手のマイクロカーで生きるという判断はあるようで、FFの先代モデルよりもさらに回転半径は小さくなって、場合によっては日本の軽自動車よりも使い勝手がいい!なんて評判が起こることも考えられます。そういう事態になったとしたらダイハツ、スズキ、ホンダの3社はどう対応するのでしょうか。乗用Kカーに関しては居住性を確保するための「低床化」のためにFFが常識になってしまっています(やや面白くないですね)。設計の面で硬直気味の日本のKカーを根底から揺さぶるだけの破壊力がトゥインゴにはあるかな〜?とりあえずはマツダのデザイン部門から引き抜いたヴァンデンアッカーが掲げるコンセプトを体現するトゥインゴの渾身のエクステリアデザインからは大いなるポテンシャルを感じますけどね・・・。
もちろん日本にもミッドシップKカーのS660があって、このクルマが最近ではそこら中で見かけるようになりまして、それほど広くない公道上でも構わずにとても機敏な動きをしています。ワインディングロードでこのクルマに下手に普通車でバトルを仕掛けると、軽く返り撃ちに遭いそう・・・そんな予感しかしない、やたらと強靭そうなフットワークです。果たしてLSDを装備した上で、135psのエンジンを積んだ「新型トゥインゴ・RS」は、このS660を越える楽しい走りを見せられるのでしょうか? もしも健闘するようならば・・・ホンダも当然のようにS660の出力を自主規制を取っ払って80~90psまで上げてくれるかもしれません。誰でも気軽に楽しめる「Aセグのフェラーリ」(S660)と「Aセグのポルシェ」(トゥインゴ)としてお互いに切磋琢磨してほしいですね・・・。
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頭文字D
日本車の人気を支えた名作漫画もとうとう完結してしまいましたが・・・作者の伝えたかったであろう思いを代弁しちゃう「勘違いブログ」です。よろしく。
2015年10月15日木曜日
2015年9月16日水曜日
マツダ・ロードスター 反対論者の正体
最近やたらとカーメディアを賑わせている!・・・ってほどじゃないですけど、ちょいちょい目に付くのが、マツダの新型ロードスター(ND)への華麗なる「掌返し」・・・つまり「ダメ出し」です。よく見てみると有名雑誌のメインコーナー(序盤のカラーページ)に偉そうに登場して最新高級ブランド車をあれこれと弄んで気ままに提灯記事を書いているような顔の売れたライター達がやたらと躍起になってディスっています。どうも4代目となるNDロードスターは、原点回帰というマツダが請け負った使命感の結晶などといった建前を取っ払ってしまえば、脂でギラつくオッサンライター達にとってはお気に召さないただの貧相なスポーツカーに映っているようです。
それにしてもライトウエイト・スポーツカーの王道なのだとわかった上で乗っているであろうに、一体いまさらに何の不満があるのでしょうか? あれこれとオッサン達の言い分を読んでみると・・・「マツダは完全に図に乗っている」「使い方なんてユーザー任せでいい(メーカーがストイック過ぎる)」などと、今回に関してはマツダの専横っぷりにだいぶイライラきているご様子です(試乗会でマツダのエンジニアにバカにでもされたのかな?)。
「ハンドリングが相当にクイックで落ち着いて運転できない!」といったご意見もありましたが、ユーザーを代弁した意見だとしてもちょっと酷過ぎないかいう気がします。スポーツカーに乗ってそう感じるのであれば、もっとゆったりとした船のようなハンドリングの高級セダンにでも乗っていればいいのでは? まあコレに関してはハッキリ言ってユーザーもライターもメーカーもみんな悪いですね。それぞれに重大な勘違いしていると思います。3者がいずれもオッサンである!ということが最大の不幸であり、本来は若者が楽しむスポーツカーをいい年したオッサンが設計し、オッサンが買い求め、オッサンが代弁したことで、こういう情けない行き違いが起こるんですね(若者不在)。3者ともにまだまだクルマに関してなら若い者には負けない!みたいな自負があるのでしょうけど、体が・・・。そしてマツダもオッサンばかりが買うと知っていながらも若者向けに仕立ているわけです。
もっとマイルドなハンドリングにしてゆったりと使えるクルマにしろ!というのはユーザー目線で悪気が無い意見とも言えますが、ハンドリングがとぼけたロードスターに価値なんてあるの?という気もします。前回の東京MSで「アクア・エア」というアクアのリトラクタブルハードトップモデルが公開されてましたが、ロードスターもハンドリングをユルくすれば自然と使い道はアクア・エアみたいになってしまうでしょう。これは少々飛躍があるかもしれないですが、マツダのストイックな姿勢にわざわざ後ろ指を指すライター達は、アクア・エアみたいな気の利いたクルマ作ってくれたほうが喜ぶ人は多いよ!っていう主旨でマツダをアジっているのではないか・・・当たっている?
クルマとしての個性を突き詰めることはせずに、とにかくユーザーの使い道やイマジネーションは無数にあるという「ユーザー任せ」という結論がまかり通るならば、自動車評論家なんていらないんじゃないですかね。メーカーがあらゆる原理を突き詰めて作った超絶スペックのスポーツカーに優劣を下すのが自動車評論家に求められる仕事です。ぶっさいくなオッサンライターに「このクルマはデートにも買い物にも使える!」なんて言われてもなんら嬉しくはないですし、せっかくの興奮も一気に冷めてしまいます。
おそらくロードスターファンの情熱にもっとも火を付けた評論家は沢村慎太朗さんでしょう。その著書では「ロードスターと911以外のスポーツカーは全て邪道!!!」とまで仰っております。マツダとしてはせっかく最上級のお墨付きを貰えたわけですから、いまさらトヨタが作ったのかホンダが作ったのかわからないようなロードスターを出せない!ということから力が入り過ぎたとは思いますが、やはりS2000やボクスターといった初代ロードスターが生んだ優秀なフォロワー達と比べてどんな点が優れているか?を明らかにするような評論を期待したいものです。
「ロータスか?ポルシェか?マツダか?」・・・スポーツカーにロマンを抱き続ける人々にとって別格といえるのがこの3ブランドです。トヨタが86を、ホンダがCR-ZやS660を作ってそれらがすぐにヒットするのは、この3ブランドが20年あまりに渡って続けてきたスポーツカー作りが、日本の自動車文化の中にも深く根を張ってきたからです。1989年にロードスターが生まれ、1995年にエリーゼが、1996年にボクスターが発売されました。その途上にはトヨタがMR-SをホンダがS2000を作るなどがありましたが、「我々はスポーツカーブランドだ!」と胸を張って20年作り続けてきた三大ブランドの1つは間違いなくマツダであり、こんなレジェンドに対して、クルマの良し悪しや好き嫌いではなく、「トヨタ味にしろ!」という評論はあまりにも敬意を欠いたものを言わざるを得ません。
ボクスターのシビアなハンドリングや、エリーゼの簡素すぎる内装には決して噛み付かないのに、ロードスターには「ハンドリングが過激で落ち着かない」「内装がイマイチ」と散々のダメ出し。さらには何があったか知らないですが「マツダは図に乗っている」という感情論・・・。日本メーカーに対するやや差別的なニュアンスはいつの時代のライターの文章にもヒシヒシと感じられることなので、いちいち目くじらを立てたりしないものですが、ロードスターに関してはやはり敬意を持つべきじゃないか?と思うのです(セルシオ、NS-X、スカイラインGT-Rにも!)。辛口で有名な英国メディアでも世界の自動車文化の興隆に大きな貢献をしたモデルへの敬意は決して忘れないものです。
評論家はともかく、ユーザーからも「ピュアスポーツじゃなくてもいい」みたいなことを言われてしまうのは、マツダとしては少々つらいところです。マツダが考えるロードスターを作る意義とは、「走り」のみを追求した結果、使用法という意味で守備範囲が狭いクルマを中規模メーカーが「あえて」作るという選択には際どい経営判断が介在します。営業利益という形での貢献は少ないけど、マツダというブランドの存在意義を最も力強く伝える広告塔として大切に育ててきました。素晴らしいコンセプトのクルマが世界で大反響を呼び、そこに「ステータス」が生まれることで、雑多なユーザーがこのクルマに群がってきます。
アメリカではロードスターユーザーの大半は女性だそうで、このクルマはオシャレな買い物車として使われているのだとか。もちろんマツダも先代ロードスターではそのニーズを理解した上で防犯上好ましいリトラクタブルハードトップのモデルを追加しました。まあこのことに関してはロータスやポルシェに並ぶようなポリシーを保ち続けることができなかった「汚点」といえるかもしれません。
アメリカの女性だけでなく、日本のオッサンもロードスターに群がってきます。スポーツカーとしてのストイックさにはそれほど興味はなく「オープンとはラグジュアリーだ!」みたいな独自の価値観を振りかざす人々っていますよね。しかし残念ながらそういうオッサンこそがマツダが上手く取り込んでいるメインターゲットと言えます。先日も見かけましたが、メルセデスSLKに奥さん乗っけてドヤ顔しているようなオッサンです。オープンならSLにしてくれ!SLKにオッサンが乗るのはかなりかっこ悪い・・・。
SLKもそうですが、ロードスターも決してどう転んでもラグジュアリーにはなりません。斜め後ろからのデザインを見れば、そのクルマが持っているキャラクターが浮かび上がる!とはよく言ったもので、SLKもSLも前からみれば似てますけど、斜め後ろはまるで「別人」です。SLKもロードスターもどう頑張ってもラグジュアリーにはなりません! それなのにオッサンライター達は、「優雅にクルーズできる」ロードスターを望んでいるわけです。まさかロードスターとソアラを同一視しているとは思いませんが、やはりボクスターの印象が強いのですかね・・・、あのクルマの斜め後ろは非常にラグジュアリーな趣きを湛えていますから。
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それにしてもライトウエイト・スポーツカーの王道なのだとわかった上で乗っているであろうに、一体いまさらに何の不満があるのでしょうか? あれこれとオッサン達の言い分を読んでみると・・・「マツダは完全に図に乗っている」「使い方なんてユーザー任せでいい(メーカーがストイック過ぎる)」などと、今回に関してはマツダの専横っぷりにだいぶイライラきているご様子です(試乗会でマツダのエンジニアにバカにでもされたのかな?)。
「ハンドリングが相当にクイックで落ち着いて運転できない!」といったご意見もありましたが、ユーザーを代弁した意見だとしてもちょっと酷過ぎないかいう気がします。スポーツカーに乗ってそう感じるのであれば、もっとゆったりとした船のようなハンドリングの高級セダンにでも乗っていればいいのでは? まあコレに関してはハッキリ言ってユーザーもライターもメーカーもみんな悪いですね。それぞれに重大な勘違いしていると思います。3者がいずれもオッサンである!ということが最大の不幸であり、本来は若者が楽しむスポーツカーをいい年したオッサンが設計し、オッサンが買い求め、オッサンが代弁したことで、こういう情けない行き違いが起こるんですね(若者不在)。3者ともにまだまだクルマに関してなら若い者には負けない!みたいな自負があるのでしょうけど、体が・・・。そしてマツダもオッサンばかりが買うと知っていながらも若者向けに仕立ているわけです。
もっとマイルドなハンドリングにしてゆったりと使えるクルマにしろ!というのはユーザー目線で悪気が無い意見とも言えますが、ハンドリングがとぼけたロードスターに価値なんてあるの?という気もします。前回の東京MSで「アクア・エア」というアクアのリトラクタブルハードトップモデルが公開されてましたが、ロードスターもハンドリングをユルくすれば自然と使い道はアクア・エアみたいになってしまうでしょう。これは少々飛躍があるかもしれないですが、マツダのストイックな姿勢にわざわざ後ろ指を指すライター達は、アクア・エアみたいな気の利いたクルマ作ってくれたほうが喜ぶ人は多いよ!っていう主旨でマツダをアジっているのではないか・・・当たっている?
クルマとしての個性を突き詰めることはせずに、とにかくユーザーの使い道やイマジネーションは無数にあるという「ユーザー任せ」という結論がまかり通るならば、自動車評論家なんていらないんじゃないですかね。メーカーがあらゆる原理を突き詰めて作った超絶スペックのスポーツカーに優劣を下すのが自動車評論家に求められる仕事です。ぶっさいくなオッサンライターに「このクルマはデートにも買い物にも使える!」なんて言われてもなんら嬉しくはないですし、せっかくの興奮も一気に冷めてしまいます。
おそらくロードスターファンの情熱にもっとも火を付けた評論家は沢村慎太朗さんでしょう。その著書では「ロードスターと911以外のスポーツカーは全て邪道!!!」とまで仰っております。マツダとしてはせっかく最上級のお墨付きを貰えたわけですから、いまさらトヨタが作ったのかホンダが作ったのかわからないようなロードスターを出せない!ということから力が入り過ぎたとは思いますが、やはりS2000やボクスターといった初代ロードスターが生んだ優秀なフォロワー達と比べてどんな点が優れているか?を明らかにするような評論を期待したいものです。
「ロータスか?ポルシェか?マツダか?」・・・スポーツカーにロマンを抱き続ける人々にとって別格といえるのがこの3ブランドです。トヨタが86を、ホンダがCR-ZやS660を作ってそれらがすぐにヒットするのは、この3ブランドが20年あまりに渡って続けてきたスポーツカー作りが、日本の自動車文化の中にも深く根を張ってきたからです。1989年にロードスターが生まれ、1995年にエリーゼが、1996年にボクスターが発売されました。その途上にはトヨタがMR-SをホンダがS2000を作るなどがありましたが、「我々はスポーツカーブランドだ!」と胸を張って20年作り続けてきた三大ブランドの1つは間違いなくマツダであり、こんなレジェンドに対して、クルマの良し悪しや好き嫌いではなく、「トヨタ味にしろ!」という評論はあまりにも敬意を欠いたものを言わざるを得ません。
ボクスターのシビアなハンドリングや、エリーゼの簡素すぎる内装には決して噛み付かないのに、ロードスターには「ハンドリングが過激で落ち着かない」「内装がイマイチ」と散々のダメ出し。さらには何があったか知らないですが「マツダは図に乗っている」という感情論・・・。日本メーカーに対するやや差別的なニュアンスはいつの時代のライターの文章にもヒシヒシと感じられることなので、いちいち目くじらを立てたりしないものですが、ロードスターに関してはやはり敬意を持つべきじゃないか?と思うのです(セルシオ、NS-X、スカイラインGT-Rにも!)。辛口で有名な英国メディアでも世界の自動車文化の興隆に大きな貢献をしたモデルへの敬意は決して忘れないものです。
評論家はともかく、ユーザーからも「ピュアスポーツじゃなくてもいい」みたいなことを言われてしまうのは、マツダとしては少々つらいところです。マツダが考えるロードスターを作る意義とは、「走り」のみを追求した結果、使用法という意味で守備範囲が狭いクルマを中規模メーカーが「あえて」作るという選択には際どい経営判断が介在します。営業利益という形での貢献は少ないけど、マツダというブランドの存在意義を最も力強く伝える広告塔として大切に育ててきました。素晴らしいコンセプトのクルマが世界で大反響を呼び、そこに「ステータス」が生まれることで、雑多なユーザーがこのクルマに群がってきます。
アメリカではロードスターユーザーの大半は女性だそうで、このクルマはオシャレな買い物車として使われているのだとか。もちろんマツダも先代ロードスターではそのニーズを理解した上で防犯上好ましいリトラクタブルハードトップのモデルを追加しました。まあこのことに関してはロータスやポルシェに並ぶようなポリシーを保ち続けることができなかった「汚点」といえるかもしれません。
アメリカの女性だけでなく、日本のオッサンもロードスターに群がってきます。スポーツカーとしてのストイックさにはそれほど興味はなく「オープンとはラグジュアリーだ!」みたいな独自の価値観を振りかざす人々っていますよね。しかし残念ながらそういうオッサンこそがマツダが上手く取り込んでいるメインターゲットと言えます。先日も見かけましたが、メルセデスSLKに奥さん乗っけてドヤ顔しているようなオッサンです。オープンならSLにしてくれ!SLKにオッサンが乗るのはかなりかっこ悪い・・・。
SLKもそうですが、ロードスターも決してどう転んでもラグジュアリーにはなりません。斜め後ろからのデザインを見れば、そのクルマが持っているキャラクターが浮かび上がる!とはよく言ったもので、SLKもSLも前からみれば似てますけど、斜め後ろはまるで「別人」です。SLKもロードスターもどう頑張ってもラグジュアリーにはなりません! それなのにオッサンライター達は、「優雅にクルーズできる」ロードスターを望んでいるわけです。まさかロードスターとソアラを同一視しているとは思いませんが、やはりボクスターの印象が強いのですかね・・・、あのクルマの斜め後ろは非常にラグジュアリーな趣きを湛えていますから。
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2015年6月22日月曜日
現行スポーツカーをあれこれ定義してみる。 トヨタ86とマツダロードスター
日本はいつの間にやら「スポーツカー天国」で、さまざまな価格帯のスポーツカーが選び放題になっているなんて某雑誌に書かれていました。もう激安の中古ポルシェを探して500万円近くを費やすよりも、ポルシェというブランド価値を考えないならば、まあ同等以上の満足感が得られるスポーツカーが新車で手軽に手に入る!といわれれば確かにそうですね。沢村慎太朗氏は「911とマツダロードスター以外は亜流スポーツ!」と切り捨てましたが、そんな極論を無視できるくらいの「歓び」は様々なモデルから感じられます。
日本車のスポーツカーの良い点は、なんといっても「専用設計シャシー」です。これによってポルシェに負けないスポーツカー的な要素が出せるのが大きいですね。ポルシェ以外のドイツ車はセダンやスモールカーのシャシーを流用しているのこともあって、ポルシェの対抗モデル(Z4、SLK)がことごとく酷評されてきましたが、日本のスポーツカーは真面目に設計されているからそんなことはないです。トヨタ86やマツダロードスターはポルシェよりも楽しい!これはガチ。
「スポーツもどき」なドイツ車(Z4、SLK、TTなど)は、エンジンやミッションの良さには定評があって、まあそこそこ納得はできますけど、着座位置から見た空間設計に難があったり、ステアリングと4輪の「コミュニケーション」が普通乗用車の流用ですから、本来はそこから生まれるはずの「非日常」な世界観が乏しく、それらに飢えているユーザーからはそっぽを向かれるクルマです。それに対してマツダ・ロードスターやトヨタ86/スバルBRZ、ホンダS660は、そのフィールの部分に拘っていて、やはり日本メーカーがある程度は採算度外視してでも作りたいと思わせるだけの「存在価値」が確かにあります。
スポーツカーに詳しくない人のために、「専用設計スポーツカー」と「改造乗用車」を分類すると以下のようになります。
「専用設計スポーツカー」・・・(ポルシェ)911、ボクスター、ケイマン、(ロータス)エキシージ、エリーゼ、(マツダ)ロードスター、(トヨタ)86、(スバル)BRZ、(ホンダ)S660、(シボレー)コルベット、(ジャガー)Fタイプ
「改造乗用車」・・・(日産)GT-R、フェアレディZ、(レクサス)RC、(ホンダ)CR-Z、(スズキ)スイフト=スポーツ、アルトRS、(ダイハツ)コペン、(BMW)4シリーズ、Z4、2シリーズクーペ、(メルセデス)SLK、A45AMG、CLA45AMG、(アウディ)TT、A5、(プジョー)RCZ、(ルノー)メガーヌRSなどなど
もちろんフェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンなどは専用設計ですがスーパーカーや本体価格が1000万円を軽く超えるモデルは割愛しました。これだけ見ると、日本車がいかに安く「専用設計スポーツカー」を市場に導入しているかがよくわかると思います。実際にロードスターやトヨタ86といったクルマは、欧州では「いったいどういう生産管理を行うとこんなにスゴいクルマがこの価格で作れるの?」なんて驚きで迎えられているようです。
改めていうまでもないですが、ポルシェとロータスが日本で一定の地位を得ているのは、スポーツカーに要求されるものに対して、どこまでも真面目にクルマ作りをしている点が評価されているからです。ポルシェやロータスが支持される市場こそが。最も「健全」と言うのは少々エゴかもしれませんが、社会全体が一定割合でもスポーツカーの商品価値を認めてくれる土壌があるのであれば、より「純度」の高いスポーツカーにいつまでも市場に留まってもらいたいと切に思います。
「ポルシェ911」は1950年から生産が始まったポルシェの1号モデル「356シリーズ」から絶えず改良を加えられて、とうとう65年の歳月を歩んできたという、それだけで「格別」なクルマです。ポルシェというブランドは絶えず「合理主義」だったという証言もある中で、「RR駆動」の4座クーペというスタンスを一貫して守り、そのまま世界の頂点を見据えるスーパースポーツにまで成長と遂げました。「356シリーズ」の始まりは、それこそ「ヨタハチ」か「ホンダ360」みたいなごくごく標準的なクルマで、そこにファン、レース、メーカーの熱意が65年間に渡って結集し続けると、世界最高のスポーツカーになる!ってのは、やはりロマンがあります。余談ですが1950年当時にはトヨタからも「トヨペットSA」という当時の水準から考えれば非常に高性能な「日本版356」とも言えるモデルがあったそうです。
そのとてつもなく長い「911の歴史」からみれば、「マツダのロータリー」や「日産の直6ターボエンジン」などは、出てきてあっという間に消えた!と言ってもいいほどに短命です。多くのクルマファンが「ポルシェは正義」と考えるのに十分な年月の「重み」があるわけです。しかしそんなポルシェも1990年代には経営危機を迎え、その時点ですでに長い歴史を持っていた「911」の開発も単独では継続できないとの判断から、同じシャシーを使う廉価モデルの「ボクスター」を発売して、なんとか採算ラインを維持する戦略を採りました。この時にボクスターの方向性を決める決定的な要因になったのが、マツダのロードスターの成功と言われています。
何が言いたいか?というと、悠久の歴史を持つポルシェが辿り着いた地点と、日本のスポーツカーがこだわるポイントには、持ちつ持たれつの関係にあるということです。ポルシェがあるから日本メーカーは立ち上がり、日本メーカーのアイディア&圧力こそがポルシェが生命力を維持するのに不可欠なんだと思います。「ポルシェ」「アウディ」「マツダ」「ホンダ」「トヨタ」「日産」といったドイツと日本のメーカーがどちらも情熱を持ち続けることで、マレーシア政府が支援する「ロータス」や、イタリアの雄「アルファロメオ」、そしてGMやフォードといった北米メーカーからも「コルベット」「フォードGT」といったグローバルで挑戦するモデルが出てくるのだと思います。
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日本車のスポーツカーの良い点は、なんといっても「専用設計シャシー」です。これによってポルシェに負けないスポーツカー的な要素が出せるのが大きいですね。ポルシェ以外のドイツ車はセダンやスモールカーのシャシーを流用しているのこともあって、ポルシェの対抗モデル(Z4、SLK)がことごとく酷評されてきましたが、日本のスポーツカーは真面目に設計されているからそんなことはないです。トヨタ86やマツダロードスターはポルシェよりも楽しい!これはガチ。
「スポーツもどき」なドイツ車(Z4、SLK、TTなど)は、エンジンやミッションの良さには定評があって、まあそこそこ納得はできますけど、着座位置から見た空間設計に難があったり、ステアリングと4輪の「コミュニケーション」が普通乗用車の流用ですから、本来はそこから生まれるはずの「非日常」な世界観が乏しく、それらに飢えているユーザーからはそっぽを向かれるクルマです。それに対してマツダ・ロードスターやトヨタ86/スバルBRZ、ホンダS660は、そのフィールの部分に拘っていて、やはり日本メーカーがある程度は採算度外視してでも作りたいと思わせるだけの「存在価値」が確かにあります。
スポーツカーに詳しくない人のために、「専用設計スポーツカー」と「改造乗用車」を分類すると以下のようになります。
「専用設計スポーツカー」・・・(ポルシェ)911、ボクスター、ケイマン、(ロータス)エキシージ、エリーゼ、(マツダ)ロードスター、(トヨタ)86、(スバル)BRZ、(ホンダ)S660、(シボレー)コルベット、(ジャガー)Fタイプ
「改造乗用車」・・・(日産)GT-R、フェアレディZ、(レクサス)RC、(ホンダ)CR-Z、(スズキ)スイフト=スポーツ、アルトRS、(ダイハツ)コペン、(BMW)4シリーズ、Z4、2シリーズクーペ、(メルセデス)SLK、A45AMG、CLA45AMG、(アウディ)TT、A5、(プジョー)RCZ、(ルノー)メガーヌRSなどなど
もちろんフェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンなどは専用設計ですがスーパーカーや本体価格が1000万円を軽く超えるモデルは割愛しました。これだけ見ると、日本車がいかに安く「専用設計スポーツカー」を市場に導入しているかがよくわかると思います。実際にロードスターやトヨタ86といったクルマは、欧州では「いったいどういう生産管理を行うとこんなにスゴいクルマがこの価格で作れるの?」なんて驚きで迎えられているようです。
改めていうまでもないですが、ポルシェとロータスが日本で一定の地位を得ているのは、スポーツカーに要求されるものに対して、どこまでも真面目にクルマ作りをしている点が評価されているからです。ポルシェやロータスが支持される市場こそが。最も「健全」と言うのは少々エゴかもしれませんが、社会全体が一定割合でもスポーツカーの商品価値を認めてくれる土壌があるのであれば、より「純度」の高いスポーツカーにいつまでも市場に留まってもらいたいと切に思います。
「ポルシェ911」は1950年から生産が始まったポルシェの1号モデル「356シリーズ」から絶えず改良を加えられて、とうとう65年の歳月を歩んできたという、それだけで「格別」なクルマです。ポルシェというブランドは絶えず「合理主義」だったという証言もある中で、「RR駆動」の4座クーペというスタンスを一貫して守り、そのまま世界の頂点を見据えるスーパースポーツにまで成長と遂げました。「356シリーズ」の始まりは、それこそ「ヨタハチ」か「ホンダ360」みたいなごくごく標準的なクルマで、そこにファン、レース、メーカーの熱意が65年間に渡って結集し続けると、世界最高のスポーツカーになる!ってのは、やはりロマンがあります。余談ですが1950年当時にはトヨタからも「トヨペットSA」という当時の水準から考えれば非常に高性能な「日本版356」とも言えるモデルがあったそうです。
そのとてつもなく長い「911の歴史」からみれば、「マツダのロータリー」や「日産の直6ターボエンジン」などは、出てきてあっという間に消えた!と言ってもいいほどに短命です。多くのクルマファンが「ポルシェは正義」と考えるのに十分な年月の「重み」があるわけです。しかしそんなポルシェも1990年代には経営危機を迎え、その時点ですでに長い歴史を持っていた「911」の開発も単独では継続できないとの判断から、同じシャシーを使う廉価モデルの「ボクスター」を発売して、なんとか採算ラインを維持する戦略を採りました。この時にボクスターの方向性を決める決定的な要因になったのが、マツダのロードスターの成功と言われています。
何が言いたいか?というと、悠久の歴史を持つポルシェが辿り着いた地点と、日本のスポーツカーがこだわるポイントには、持ちつ持たれつの関係にあるということです。ポルシェがあるから日本メーカーは立ち上がり、日本メーカーのアイディア&圧力こそがポルシェが生命力を維持するのに不可欠なんだと思います。「ポルシェ」「アウディ」「マツダ」「ホンダ」「トヨタ」「日産」といったドイツと日本のメーカーがどちらも情熱を持ち続けることで、マレーシア政府が支援する「ロータス」や、イタリアの雄「アルファロメオ」、そしてGMやフォードといった北米メーカーからも「コルベット」「フォードGT」といったグローバルで挑戦するモデルが出てくるのだと思います。
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2015年6月12日金曜日
インプレッサ の峠スペシャルは「FF」モデル
絶好調が伝えられるスバル。その基幹モデルである「インプレッサ」の売れ行きを支えているのは、クロスオーバーの「XV」とAWD&2.0Lのみに採用される「アイサイト」なのだそうです。そのおかげもあってブランドのボトムモデルにも関わらず比較的価格の高いグレードからよく売れているみたいです。わざわざ軽やコンパクトではなく、スバル車を買おう!という人々ですから、クルマの性能に拘った結果としては非常に妥当ですし、最上級モデルにしか「アイサイト」が付けられないという「絶妙」なスバルのマーケティングは大成功だったようです。
そんなインプレッサでも「2L&FF」のモデルに関しては、非情にも「アイサイト」が装備できません。しかも本体価格191万円の「2L&FF」に対して、226万円の「2L、AWD&アイサイト」との価格差は35万円になりますが、AWDというだけで十分に納得できる価格にも関わらず、アイサイトまで付いてくるわけですから、上級モデルの方がだんぜんにお買い得感があります。もっとも「1.6L&FF」となると大特価ともいえる160万円〜なので、アイサイトを選ばないという選択肢も当然に出てくるようですが・・・。
インプレッサは、1992年にデビューし2000年、2007年とフルモデルチェンジを行ってきました。この初代〜3代目までは、「男臭い」「武骨」といった生真面目な日本車イメージをとことん追求したような設計で、どうも「垢抜けない」印象のものでした。先日も某大御所ライターがウェブ記事で「最近は若者のためのクルマがない」嘆いていましたが、おそらくその方の脳裏にあった「若者向けのクルマ」とは、この初代〜3代目までのインプレッサだったと思います。ホンダシビックやトヨタカローラ/レビン/スプリンターが80年代にやっていたことを90年代になってから真似し始めた「周回遅れ」な感じがなんともピッタリのようです。「若者が乗るのはこれくらいがちょうどいい」といった年配者の不遜な考えにつながっているともいえます。単に若者がセルシオとかシーマとか乗る風潮が許せないだけだろ・・・って気もしますが。
それでも初代と3代目の間にもそれなりの進化があり、単なる「5ナンバー」「3ナンバー」といった違い以上にスバル側の設計意図の変化がありました。しかし周囲の反応はすぐに変わるものでもなく、3代目になっても「周回遅れの若者車」というイメージを打破することもなく、このモデルは経済危機などの影響でわずか4年で幕を降ろしました。スバルとしては3代目インプレッサを、このクラスの欧州2強であったVWゴルフとフォードフォーカスへ向けた「日本からの刺客」とする意図があった(WRXは当初ハッチバックのみ!)と思われますが、「日本の周回遅れ」がそう簡単に「欧州最前線」に並ぶはずはないという、メディア側の恣意的な選別(それなりの理由もあったでしょうが)に遭いました。また欧州車のように後輪サスを高性能化するなど、高コスト体質だったこともあり異例に短いモデルサイクルでの幕引きとなりました。個人的な感想としては3代目はフロントデザインがもう少しマトモならば「伝説の名車」になれた気がします・・・。
2011年に新しいスバルを象徴するデザインを纏って登場した4代目インプレッサは、2009年に登場していた5代目レガシィを内装デザインで上回るなど話題満載で登場し、大型化して日本では不人気になっていたレガシィの逃したニーズをメーカーの狙い通りに摘み取っていきました。デザインや装備が最新鋭のものになり、その結果として年配者が考える「若者に相応しいクルマ(周回遅れ車)」の印象は大きく後退し、まだまだ160万円で十分にお買い得なのですが、「若者にはもったいない!生意気!」な外観になってしまったようで、あまりオススメされなくなったように感じます。その代わりにフィット、マーチ、ノート、あとは軽のハスラーなどがプッシュされていった印象です。まあフィットやノートに比べれば、インプレッサの方が価格もまともで、むしろお買い得(若者向け)なくらいなんですけどね・・・。
峠やワインディングを無理なく楽しく走れて、もっともお手軽な新車価格のクルマは、現状では間違いなくインプレッサだと思います。初代〜3代目までの「男臭い」イメージも現行モデルになって4年が過ぎてだいぶ薄れてきました(先代がまともに売れてないので)。そもそもこのクルマの存在意義は、「若者向け」でも「年配向け」でもなく、日本でクルマを必要とするほぼ全ての人に満足して使ってもらう!という「国民車」的な「使命」があるように感じます。例えば、1.6LのAWDモデルにだけ「MT」が設定されていますが、日本の寒冷地においては「AWD&MT」へのニーズが少なからず存在します。軽やSUVを除けばこの設定を行っているのは、インプレッサ以外にはアテンザ(ディーゼル)とランエボだけです。どちらも乗り出しで400万円オーバーですから、インプの存在はとても貴重です。
さてそんなインプレッサですが、スバルのラインナップの中でFF車を置き続けるところも異彩を放っています。何の為の設定か? もちろん真意はスバルの人にしかわからないですけども、期待を込めた推測をさせてもらうと「スバルのやり方で世界のライバルを制する」「スバルらしさを維持する」といったところだと思います。80年代の後半から日本メーカーが無批判の内に取り入れて、多くの日本車の基本機構ともなった「横置きエンジン&FF」というごくごく当たり前の設計に全てのFF車が収束してしまったら、何だか味気なくなりましたが、そんな風潮に対してのアンチテーゼ(スバルらしい!)ではないかと思います。。
改まっていうことでもないですが、ポルシェのスポーツカーにも使われる、小型で低重心化が可能な水平対抗エンジンを装備し、アウディと同じく最良のAWDメーカーを目指すために、エンジンの縦置きにこだわるといった、「尖った設計」こそがスバル車の矜持です。一方でFF車を欧州でヒットさせたホンダやマツダは、イタリア人ダンテ=ジアコーザ(フィアットの開発者)が発明したジアコーザ式横置きエンジンの設計をベースに、いわゆる欧州型のFF車を上手く作ったにすぎません。このイタリア式の前に、いよいよメルセデスやBMWといった名門ブランドまでもがイタリアの「軍門」に下りつつあります(アウディもA1、A3、TTはVWのイタリア式機構です)。
世界中をドライブしてまわったわけではないですが、週末に日本のワインディングロードはとても素晴らしい憩いの場で、信号機から開放されてひたすらに走るだけでも十分に駆け抜ける歓びを感じられます。どのクルマで走ったら楽しいか? 真っ先に思い浮かぶのが「スイフトスポーツ」「アクセラスポーツ2.0L(FF)」で、これら「イタリア流」の2台はユーザーからの評判も上々ですし、それぞれにメーカーもよくニーズを考えて走る気持ちにさせてくれる設計が光ります。これに対して「スバル流」の「インプレッサスポーツ2.0L(FF)」はというと、「機構の独特さ」に歓びを感じる人から愛されているようです。AWDモデルよりもリニアなハンドリングが楽しめます(MTが選べない点が残念ですが・・・)。「イタリア流」の本場の輸入車にも楽しめるモデルは揃っていて、いよいよMTが日本上陸する「ゴルフGTI」をはじめ「メガーヌGT220」「プジョー208GTi/XY」辺りが乗ってみてハンドリングに不満が無い好モデルでした。
「スバル流」か?「スバルじゃない」か? ワインディングを楽しめるFFモデルはどちらかに分類されるわけですが、それでもお手頃価格でクルマを作り続けるスバルの心意気は素晴らしいです。スバルにはこの異彩の「FF」モデルを日本スペシャルとして育てていってほしいものです。MTを設定するのは構造上難しいのかな〜?
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2015年6月2日火曜日
スポーツカー趣味と胸を張るなら アバルト595 かも。
競馬の日本ダービーの中継を見ていて、レース前に出走馬を見せるパドックで馬主などの関係者が周回路の内側で談笑しているシーンがなかなか華やかでした。私が子どもの頃(ダイナガリバーくらい)に良く父親に連れて行かれた府中競馬場とは全く違う世界で、着飾ったドレスの女性などもいて、クルマではなくてサラブレッドを所有する趣味というのが、日本にも根付いてきているようです。ただ一般馬主の所有馬でダービー出走の晴れ舞台まで辿りつくのは、ほぼ至難の技ですし、まるで趣味のように毎週オシャレして競馬場に出掛けてパドックへと舞い降りるなんてことはできないでしょうが・・・。
それでも忙しい日々の合間に訪れる貴重な休日には、なんかワクワクするようなことがしたくなる気持ちは競馬場はともかく少しはわかります。とりあえず手軽に楽しむならばクルマ!とオススメしたいところですが、まあ今の日本にはいろいろな趣味が溢れていてあれこれ楽しめます。別荘なんかも首都圏100km圏内でいくらでも見つけられますし、そこにガレージなんか作ったら楽しくて仕方ないはずです。まあ月に1〜2回は週末温泉宿泊が趣味という人には無用かもしれないですけど。
やはり「趣味」という言葉の解釈は、人によって多少なりとも違うものですが、人生を豊かにするためには不可欠なファクターである事は間違いないと思っています。ちょっと理解できないのが「多趣味」を鼻にかける輩で、テメーのは「趣味」じゃなくてただの「ファッション」だろ〜!なんてツッコミを入れてあげたい衝動に駆られます。多趣味っていろいろなことに「お金」と「時間」を費やすわけですから、これは犯罪的な行為じゃないですか? いくらお金がたくさんある人でも、ずっと遊んでばかりいたら楽しくないでしょうし、そんな「効用」が少ないことにお金を費やすなんてとってもマヌケです。
たくさんの趣味にお金を注ぎ込むのは不毛ですが、1つのことにとことん集中できて、それで日々が楽しく暮らせるなんていう趣味ならば、多少はお金がかかってもいいのではないかと思います。「お金のかかからない趣味」というのに人気が集まるみたいですが、やっぱり限度こそあれ趣味というのは「打ち込んで」こそ大きくリターンがあるものじゃないですかね。ピアノが趣味でそれを通じて人と交流するならば、一念発起してベーゼンドルファーかスタインウェイくらい買ってしまった方が楽しめるはずです。スポーツカー趣味にしても同じで、フェラーリに乗る人は年収3000万円以上が想定されているようですが、フェラーリが絶対に楽しめる「趣味」だと言い切れるならば、年収500万円でも所有する価値は絶対にあると思います。
クルマが趣味で休日に楽しいドライブをしたいならば、一般道をミニバンでノロノロ走るのではなくて、スポーツカーでサーキットにでも繰り出した方がよっぽど健康的です。しかしそのためにはサーキットで楽しく走れるクルマを調達しなければならず、なかなかややこしいハードルがあります。実際のところ休日のサーキットへ行っても500ps超の桁違いのスーパースポーツカーがたくさん走っているだけですから、「公道最速マシン」なんて触れ込みすらあるスバルWRX STIやランエボで出掛けていっても、ストレートで思いっきり実力の違いを見せつけられて口惜しい思いをするのがオチです(日本の中古スポーツカーにNSXなどを除いて高値が付かない理由がこれですね)。360モデナよりも35GT-Rの方がいくらか安く調達できるかもしれないですが、非日常なドライビングを楽しむ「趣味」にとことん生き甲斐を感じたならば、1000万円を投入してみてはいかがでしょうか? 400psの360モデナ(車重1450kg)を全開させれば、まず簡単にストレートで抜かれることはないでしょう。
サーキットはちょっと・・・という「クルマ趣味」ももちろんアリです。ただし公道を楽しく走れる乗用車は残念なことに、年を追うごとに「趣味性」が減退する傾向が強くなっています。昨今ではスポーティなクルマの定義が、「スリリング&奥深さ」から「安全&操作容易性」へと完全に塗り変わってきていて、最初から「スポーツ」を掲げていない「メルセデス」「レクサス」「アウディ」の好調な販売に吸い寄せられるように、「BMW」「マツダ」「ホンダ」もすっかりと角が取れたまろやかなクルマばかりを作るようになりました。BMW、マツダ、ホンダの最近のクルマは、決して悪くはないのですけど、ことごとく「変調」なものばかりになってしまいました。いよいよ低速トルクで走らせるクルマ作りが骨の髄にまで達してしまったようで、かつてのエンジン屋の面影はもはやだいぶ霞んでいて、2速でヒルクライムに挑むと、すぐにアクセルの操作感がゲロゲロに悪くなっていきます。ターボもスカイアクティブもHVも結局のところスポーツエンジンには成り得ないようです。いずれも例外なく高回転の領域などすっかり無いかのようにすぐに頭打ちになってしまいます。「つまんね〜」って誰も言わないのが不思議なレベル。
M235iくらいのスペックがあれば、だいぶフィールは変わりますけど、このクルマもイマイチ方向性が定まっておらず、結論をハッキリ言ってしまうと「スポーツ」など全く意識していないのでは?なんて感じる瞬間が正直言ってたくさんあります。もちろんBMWらしい「精緻さ」は随所にありますが、これこそが「趣味」だ!と強く言い切れるクルマじゃないです。先代の「135iクーペ」はポルシェに立ち向かうスパルタンさがあったのですが、そこから一気に高齢者向けのマイルドなアシになってしまいました(CMで「02」を使うくらいですから・・・狙い通りなんですね)。失礼ですが良くも悪くも「普通」です。さらに言うと新しくなったマツダ・ロードスターもまた「趣味」か?というとこれも違います。海外では女性ユーザーが5割というこのクルマの事情もあるのでしょうけど、いよいよ「お買い物車」としての性能をアップさせています。ロードスターのシャシーにM235iのユニットを押し込んだりすれば、「趣味」のクルマらしいワクワク感はありますけど・・・。
ついでに言ってしまうと、復活が待たれるホンダの「シビックtypeR」ですが、2LターボのFF最速モデルってのは何だか新しさ全く無いです。FF車は設計の特性上どうしてもエンジン出力に限界があって、300psを超えると上手く発進できなくなりますから、決して高くない限界に向かって突き進むことに何の価値があるのか?正直言ってわかりません。FF車は結局のところ軽く作ってこそ価値があるわけで、これを「趣味」のクルマにするならば、CセグよりBセグ、さらにAセグの方がさらに良くなります。つまり「趣味」のクルマであることを基準として商品性の高さを追求するならば、「アウディS1」やスズキの「スイフトスポーツ」そして「アルトRS」こそが正しい選択だと思います。
そしてその中でも特に「趣味」を楽しめて大きく主張できるものが、「アバルト595」じゃないかと思います。本体価格343万円〜は決して安くはないですけども、1120kgのボディを160psのエンジンで引っ張るワクワク感に感性がシンクロするならば、良い投資だと思います。このクルマ持っていると言われたら、よっぽどのクルマ好きだな・・・って思いますよ。それこそロータスエリーゼやホンダS2000を持っている人よりも「熱いもの」を感じますね。アバルト595と同じかそれ以上の過激なパワーウエイトレシオを誇るクルマはほかにもありますが、実際に乗ってみるといろいろと困ったこともあります。1230kgで192psのミニ・クーパーSはトラクションに難があり路面に出力を伝えられない部分があり、3気筒のクーパーの方がバランスが良いくらいです(ワン、クーパー、クーパーSとエンジンを使い分けるチャレンジ精神には感心ですが・・・)。
日本に住んでいると、クルマのチョイスは自然と日本車かドイツ車になってしまい、この2国のクルマこそが世界で最も優れていると当たり前に思ってしまうのですけど、当たり前というのは裏を返せば「平凡」なんですよね。ダイハツに乗ろうが、BMWに乗ろうが大差ない!とまでは言いませんけども、ドイツ車と日本車がお互いに技術提携なんかしてまで「世界一」のクルマを作っている!と自負しているようですが、どんどんスケールの小さなクルマになっていませんか?ハッキリ言って「つまんない」ですよ・・・。一体なぜ日独メーカー車には「458イタリア」や「アルファ4C」や「アバルト595」や「パンダ4×4」のような全身から「趣味」を発信して思わずワクワクさせてくれるクルマが少ないのですかね・・・。
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それでも忙しい日々の合間に訪れる貴重な休日には、なんかワクワクするようなことがしたくなる気持ちは競馬場はともかく少しはわかります。とりあえず手軽に楽しむならばクルマ!とオススメしたいところですが、まあ今の日本にはいろいろな趣味が溢れていてあれこれ楽しめます。別荘なんかも首都圏100km圏内でいくらでも見つけられますし、そこにガレージなんか作ったら楽しくて仕方ないはずです。まあ月に1〜2回は週末温泉宿泊が趣味という人には無用かもしれないですけど。
やはり「趣味」という言葉の解釈は、人によって多少なりとも違うものですが、人生を豊かにするためには不可欠なファクターである事は間違いないと思っています。ちょっと理解できないのが「多趣味」を鼻にかける輩で、テメーのは「趣味」じゃなくてただの「ファッション」だろ〜!なんてツッコミを入れてあげたい衝動に駆られます。多趣味っていろいろなことに「お金」と「時間」を費やすわけですから、これは犯罪的な行為じゃないですか? いくらお金がたくさんある人でも、ずっと遊んでばかりいたら楽しくないでしょうし、そんな「効用」が少ないことにお金を費やすなんてとってもマヌケです。
たくさんの趣味にお金を注ぎ込むのは不毛ですが、1つのことにとことん集中できて、それで日々が楽しく暮らせるなんていう趣味ならば、多少はお金がかかってもいいのではないかと思います。「お金のかかからない趣味」というのに人気が集まるみたいですが、やっぱり限度こそあれ趣味というのは「打ち込んで」こそ大きくリターンがあるものじゃないですかね。ピアノが趣味でそれを通じて人と交流するならば、一念発起してベーゼンドルファーかスタインウェイくらい買ってしまった方が楽しめるはずです。スポーツカー趣味にしても同じで、フェラーリに乗る人は年収3000万円以上が想定されているようですが、フェラーリが絶対に楽しめる「趣味」だと言い切れるならば、年収500万円でも所有する価値は絶対にあると思います。
クルマが趣味で休日に楽しいドライブをしたいならば、一般道をミニバンでノロノロ走るのではなくて、スポーツカーでサーキットにでも繰り出した方がよっぽど健康的です。しかしそのためにはサーキットで楽しく走れるクルマを調達しなければならず、なかなかややこしいハードルがあります。実際のところ休日のサーキットへ行っても500ps超の桁違いのスーパースポーツカーがたくさん走っているだけですから、「公道最速マシン」なんて触れ込みすらあるスバルWRX STIやランエボで出掛けていっても、ストレートで思いっきり実力の違いを見せつけられて口惜しい思いをするのがオチです(日本の中古スポーツカーにNSXなどを除いて高値が付かない理由がこれですね)。360モデナよりも35GT-Rの方がいくらか安く調達できるかもしれないですが、非日常なドライビングを楽しむ「趣味」にとことん生き甲斐を感じたならば、1000万円を投入してみてはいかがでしょうか? 400psの360モデナ(車重1450kg)を全開させれば、まず簡単にストレートで抜かれることはないでしょう。
サーキットはちょっと・・・という「クルマ趣味」ももちろんアリです。ただし公道を楽しく走れる乗用車は残念なことに、年を追うごとに「趣味性」が減退する傾向が強くなっています。昨今ではスポーティなクルマの定義が、「スリリング&奥深さ」から「安全&操作容易性」へと完全に塗り変わってきていて、最初から「スポーツ」を掲げていない「メルセデス」「レクサス」「アウディ」の好調な販売に吸い寄せられるように、「BMW」「マツダ」「ホンダ」もすっかりと角が取れたまろやかなクルマばかりを作るようになりました。BMW、マツダ、ホンダの最近のクルマは、決して悪くはないのですけど、ことごとく「変調」なものばかりになってしまいました。いよいよ低速トルクで走らせるクルマ作りが骨の髄にまで達してしまったようで、かつてのエンジン屋の面影はもはやだいぶ霞んでいて、2速でヒルクライムに挑むと、すぐにアクセルの操作感がゲロゲロに悪くなっていきます。ターボもスカイアクティブもHVも結局のところスポーツエンジンには成り得ないようです。いずれも例外なく高回転の領域などすっかり無いかのようにすぐに頭打ちになってしまいます。「つまんね〜」って誰も言わないのが不思議なレベル。
M235iくらいのスペックがあれば、だいぶフィールは変わりますけど、このクルマもイマイチ方向性が定まっておらず、結論をハッキリ言ってしまうと「スポーツ」など全く意識していないのでは?なんて感じる瞬間が正直言ってたくさんあります。もちろんBMWらしい「精緻さ」は随所にありますが、これこそが「趣味」だ!と強く言い切れるクルマじゃないです。先代の「135iクーペ」はポルシェに立ち向かうスパルタンさがあったのですが、そこから一気に高齢者向けのマイルドなアシになってしまいました(CMで「02」を使うくらいですから・・・狙い通りなんですね)。失礼ですが良くも悪くも「普通」です。さらに言うと新しくなったマツダ・ロードスターもまた「趣味」か?というとこれも違います。海外では女性ユーザーが5割というこのクルマの事情もあるのでしょうけど、いよいよ「お買い物車」としての性能をアップさせています。ロードスターのシャシーにM235iのユニットを押し込んだりすれば、「趣味」のクルマらしいワクワク感はありますけど・・・。
ついでに言ってしまうと、復活が待たれるホンダの「シビックtypeR」ですが、2LターボのFF最速モデルってのは何だか新しさ全く無いです。FF車は設計の特性上どうしてもエンジン出力に限界があって、300psを超えると上手く発進できなくなりますから、決して高くない限界に向かって突き進むことに何の価値があるのか?正直言ってわかりません。FF車は結局のところ軽く作ってこそ価値があるわけで、これを「趣味」のクルマにするならば、CセグよりBセグ、さらにAセグの方がさらに良くなります。つまり「趣味」のクルマであることを基準として商品性の高さを追求するならば、「アウディS1」やスズキの「スイフトスポーツ」そして「アルトRS」こそが正しい選択だと思います。
そしてその中でも特に「趣味」を楽しめて大きく主張できるものが、「アバルト595」じゃないかと思います。本体価格343万円〜は決して安くはないですけども、1120kgのボディを160psのエンジンで引っ張るワクワク感に感性がシンクロするならば、良い投資だと思います。このクルマ持っていると言われたら、よっぽどのクルマ好きだな・・・って思いますよ。それこそロータスエリーゼやホンダS2000を持っている人よりも「熱いもの」を感じますね。アバルト595と同じかそれ以上の過激なパワーウエイトレシオを誇るクルマはほかにもありますが、実際に乗ってみるといろいろと困ったこともあります。1230kgで192psのミニ・クーパーSはトラクションに難があり路面に出力を伝えられない部分があり、3気筒のクーパーの方がバランスが良いくらいです(ワン、クーパー、クーパーSとエンジンを使い分けるチャレンジ精神には感心ですが・・・)。
日本に住んでいると、クルマのチョイスは自然と日本車かドイツ車になってしまい、この2国のクルマこそが世界で最も優れていると当たり前に思ってしまうのですけど、当たり前というのは裏を返せば「平凡」なんですよね。ダイハツに乗ろうが、BMWに乗ろうが大差ない!とまでは言いませんけども、ドイツ車と日本車がお互いに技術提携なんかしてまで「世界一」のクルマを作っている!と自負しているようですが、どんどんスケールの小さなクルマになっていませんか?ハッキリ言って「つまんない」ですよ・・・。一体なぜ日独メーカー車には「458イタリア」や「アルファ4C」や「アバルト595」や「パンダ4×4」のような全身から「趣味」を発信して思わずワクワクさせてくれるクルマが少ないのですかね・・・。
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2015年5月15日金曜日
プリウス がビックリなほどバリバリ走る!!!
しばらくぶりに国道299号線を走ってみました。正月明けから予定が立て込んでいたため、まとまった時間がとれず凍結の時期を過ぎてから今年初めてで久しぶりの「ドライコンディション」でした。一大観光地の秩父につながる重要ルートということもあり、休日の昼間に踏み入れれば大量のバイカーに行く手を遮られます。さらに家族連れのミニバンが列を成していて徐行しているので、走りを楽しむというより時間とガソリンの無駄になってしまいますので、走りに行く時の狙い目は連休最終日の深夜がベストだと思います(翌日は少々眠いですけど)。さてそんなベストな時間に行ってみると、当然に同じことを考えている走り好きもいるようで、かなり本気モードの走りをするクルマに出会うことも多いです。この日もとんでもない走りをするプリウスが現れました。
埼玉県・入間から飯能までつづくバイパス区間が終わり、前にはプリウス・・・あらら。この先は追い越し不可能の片側1車線なので、ちょっとテンションが下がりつつもセーフティな車間をとって追走しました。なかなか険しい低速コーナーも現れるルートになのですが、このプリウスは地元ナンバー車ということを考えても、想像よりかなりいいテンポで走ってくれます。高速区間から中低速ワインディングに変化したルートのフィーリングを試すのにはちょうどよいペースだったと思います。しかしそれもつかの間で前方に低速のコンパクトカーが現れ一気にペースダウン。まあ仕方ないか・・・諦めて平行する奥武蔵グリーンライン(林道)を行こうかと思っていると、前のプリウスがなかなかがっつりとコンパクトカーを煽り始めます。
さすがにこれだけタイトで夜間で視界もままならない中では、前を走るコンパクトカーはいらいらしてまともに走れないだろうことは想像できますし、それにしてもこの車間!これはエグいな・・・。しかしまもなくコンパクトカーが待避場所で端に寄せたので、私も一気にプリウスとの車間を詰めて、ついでに道を譲ってもらうことにしました。お礼ハザードもそこそこに、前のプリウスを追いかけると、すでにプリウスの走りにはちょっとヤバい雰囲気が・・・。譲ってもらったということもあり、無意識の内にペースを上げてしまうのも無理ないですが、その予想通りで待ったなしでプリウスは駆け出していきます。その加速はなかなかのもので、しかも続くコーナーでも全く慌てるそぶりもなく、絶妙な速度(結構速い)で、中央分離帯にポールが立ってラインの自由がほとんどない中で、こんなスピードで抜けていくプリウスは未だかつて見たことないです。もちろんフットブレーキランプは一切点灯させずで、コーナーへの進入速度を完全に見極めたコントロールをしているようで、全く修正した仕草がありません。
低速・中速どちらのコーナーも脱出速度は、とりあえずマツダの方がハッキリ鋭いので、ちゃんと走っていればまず離されることはないのですが、プリウスの性能を十二分に発揮して進む「技」は、明らかに年季の入った峠ドライバーの走りそのものです。同じスピードで突っ込んでもマツダ車の方がフラットに曲るのだから問題ないと頭ではわかっているのですが、車幅は2m50cmの限界からそれ以上はいくらも余裕がなくコーナーにはポールが立っていて、体感では相当にタイトでアンダーステアでも出そうものなら・・・。こんなエスケープゾーンもほとんど無いルートで、相手(プリウス)よりも一回り大きいボディをうまくコントロールできるか?と少々不安な気持ちが浮かんできます。
峠のドライビングとはなんとも不思議なもので、一度そういう不安・恐怖が頭に浮かんでしまうと、走りのバランスが突如ガタガタと崩れ始めたりします。コースはよく知っていているはずなのに、ちょっとしたハンドリングのミスタッチから、思わぬピッチングが起こり、それを抑え込みにかかるダンパーの動きを感じている間に次々とコーナーが変化していきます。そして脱出速度の調整をするペダルのタイミングにも悪影響が及び、おそるおそる神経を研ぎ澄ませて踏み込むというなんとも苦しい走りに追い込まれます。大まかなペースと進入速度の限界はわかっていて、しかもヒルクライムなのでリズムよく走らせれば危険なことはほぼないのですが、得体の知れない「手練」な先行車のペースは不思議な緊張感を醸してくれます。
そのまま正丸トンネルを抜けると、今度は秩父盆地へ向かっての中・高速ダウンヒルにコースの特徴が大きく変わります。同じ国道とはいえ、このトンネルを超えると必要とされるクルマの性能も変わってきます。飯能側と違ってよりハイスピードになるゾーンではアテンザとプリウスにはどのような差があるのか?と興味振々だったのですが、あれれ・・・どうもこの「技師」をもってしてもプリウスはダウンヒルはダメみたいです。
普段からマツダ車に乗って峠を走っているとよく有りがちですが、ヒルクライムではターボの輸入車相手に対してちょっと分が悪かったりします。しかしダウンヒルでは車高を低く抑えたスポーツカーでも出てこない限りは、マツダの乗用車が最強ではないか?と思うぐらいにクルマの適正を感じます。その一番の理由は、マツダ車はハンドリングのスムーズさが登りと下りでも大きく変化しないことです。10年以上前に乗っていたトヨタ車はアテンザよりも200kg以上軽かったですが、ダウンヒルでオーバースピードになると、リアが全く踏ん張らなくなって、まるでゲレンデでソリ滑りをしているような弱々しい操舵感を頼りに厳しい勾配を下るときは、心臓が口から飛び出るほど恐ろしかったです・・・。
エンブレを多用するプリウスに下りで接近戦を仕掛ける人は、命知らずの大バカ野郎なので、セーフティな車間を取りつつ低速ギアの操作(近づくと3速・離れると4速)だけで追従していても全く離れません(もちろんどちらもフットブレーキは使いません)。そのため終始安定した走行でまったくタイヤを使うシーン(食い付かせる)などありません。そもそもアクセルオンのシーンすらほとんどない、「燃費を稼ぐ」走りなのでなかなか気分もいいです。そのプリウスは秩父のはるか手前の芦ケ久保・道の駅へと入っていってしまいました。その瞬間に肩の力が抜けて、「ホッとした」と「ちょっと淋しい」の相反する想いが・・・。また会えたらいいな「所沢」ナンバーのプリウス。
さて信号もほとんど無いノンストップの下りでアクセル無しの走行をしばらく続けると、だんだん体とクルマがシンクロして、ニューロンでつながれたような気分になってきます。「ステアリングと4輪」の物理的なつながりに自分の意識が取り込まれたかのような感覚と同時に、自分が運転しているのでは無いかのような絶妙なハンドリングができるようになります。こうなってくるとどんな低速コーナーでも鼻先からキレイに収まっていく感覚と、コーナー脱出時のヨー運動(揺れ戻し)が、全て次の動作のカウンターになるくらいに車体の状態がお尻や背中から伝わってきます。クローズドな直線区間が与えられたら楽に「直ドリ」ができちゃいそうなくらいです。
秩父からちょっと北上して埼玉県道11号線「定峰峠」に入ったときには、4輪が全てが完全なコントロール化にあるほどに感覚が研ぎ澄まされてきました。エグいヘアピンが続くものの、それぞれの180度ヘアピンの膨らみは大きくスペースに恵まれているので、パワースライド気味にアグレッシブに車体の向きを変えることも十分にできます(完全自己責任ですが・・・)。目的地もなくガソリンを消費して排気ガスを出すという「趣味ドライブ」を楽しむならば、この領域に入れるまで走り込まないと(そこに達するクルマでないと)、時間とお金の無駄遣いかなという気がします。もちろん「趣味ドライブ」の目的はこれだけでなく、「大事な人と心ゆくまで話す」、「音楽を楽しみながら考え事をする」、「心にひらめいた景色を求めて走る」などなどいろいろありますが・・・。
正直言ってプリウスは、どう乗り込んでも「ニューロン」的なフィーリングには達し得ない「アンチ・ドライバーズカー」だと思っていましたが、あれだけの走りを見せつけられたら、登りに関してはある程度は実力を認めざるを得ないと思います。実際にあのコースを「あれだけのペース」でこなすのは、「駆け抜ける歓び」を謳う某ドイツブランド車でも簡単ではないと断言できます(8速&ターボには不利なコースでもあるし)。プリウスのサイズ・車重・スペックは確かに峠を走るのに適した水準にまとまっています。あとはゼロ発進時のもたつきと、高回転からの加速の鈍さと、決してタイトではないハンドリングでは初コースはシビアであることと、あとは重心の高さが下りの走行性能に悪影響を及ぼすことなどが、段階的に改善されれば、トヨタ86と大きな遜色がないくらいの峠マシンになりうるかもしれません。
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埼玉県・入間から飯能までつづくバイパス区間が終わり、前にはプリウス・・・あらら。この先は追い越し不可能の片側1車線なので、ちょっとテンションが下がりつつもセーフティな車間をとって追走しました。なかなか険しい低速コーナーも現れるルートになのですが、このプリウスは地元ナンバー車ということを考えても、想像よりかなりいいテンポで走ってくれます。高速区間から中低速ワインディングに変化したルートのフィーリングを試すのにはちょうどよいペースだったと思います。しかしそれもつかの間で前方に低速のコンパクトカーが現れ一気にペースダウン。まあ仕方ないか・・・諦めて平行する奥武蔵グリーンライン(林道)を行こうかと思っていると、前のプリウスがなかなかがっつりとコンパクトカーを煽り始めます。
さすがにこれだけタイトで夜間で視界もままならない中では、前を走るコンパクトカーはいらいらしてまともに走れないだろうことは想像できますし、それにしてもこの車間!これはエグいな・・・。しかしまもなくコンパクトカーが待避場所で端に寄せたので、私も一気にプリウスとの車間を詰めて、ついでに道を譲ってもらうことにしました。お礼ハザードもそこそこに、前のプリウスを追いかけると、すでにプリウスの走りにはちょっとヤバい雰囲気が・・・。譲ってもらったということもあり、無意識の内にペースを上げてしまうのも無理ないですが、その予想通りで待ったなしでプリウスは駆け出していきます。その加速はなかなかのもので、しかも続くコーナーでも全く慌てるそぶりもなく、絶妙な速度(結構速い)で、中央分離帯にポールが立ってラインの自由がほとんどない中で、こんなスピードで抜けていくプリウスは未だかつて見たことないです。もちろんフットブレーキランプは一切点灯させずで、コーナーへの進入速度を完全に見極めたコントロールをしているようで、全く修正した仕草がありません。
低速・中速どちらのコーナーも脱出速度は、とりあえずマツダの方がハッキリ鋭いので、ちゃんと走っていればまず離されることはないのですが、プリウスの性能を十二分に発揮して進む「技」は、明らかに年季の入った峠ドライバーの走りそのものです。同じスピードで突っ込んでもマツダ車の方がフラットに曲るのだから問題ないと頭ではわかっているのですが、車幅は2m50cmの限界からそれ以上はいくらも余裕がなくコーナーにはポールが立っていて、体感では相当にタイトでアンダーステアでも出そうものなら・・・。こんなエスケープゾーンもほとんど無いルートで、相手(プリウス)よりも一回り大きいボディをうまくコントロールできるか?と少々不安な気持ちが浮かんできます。
峠のドライビングとはなんとも不思議なもので、一度そういう不安・恐怖が頭に浮かんでしまうと、走りのバランスが突如ガタガタと崩れ始めたりします。コースはよく知っていているはずなのに、ちょっとしたハンドリングのミスタッチから、思わぬピッチングが起こり、それを抑え込みにかかるダンパーの動きを感じている間に次々とコーナーが変化していきます。そして脱出速度の調整をするペダルのタイミングにも悪影響が及び、おそるおそる神経を研ぎ澄ませて踏み込むというなんとも苦しい走りに追い込まれます。大まかなペースと進入速度の限界はわかっていて、しかもヒルクライムなのでリズムよく走らせれば危険なことはほぼないのですが、得体の知れない「手練」な先行車のペースは不思議な緊張感を醸してくれます。
そのまま正丸トンネルを抜けると、今度は秩父盆地へ向かっての中・高速ダウンヒルにコースの特徴が大きく変わります。同じ国道とはいえ、このトンネルを超えると必要とされるクルマの性能も変わってきます。飯能側と違ってよりハイスピードになるゾーンではアテンザとプリウスにはどのような差があるのか?と興味振々だったのですが、あれれ・・・どうもこの「技師」をもってしてもプリウスはダウンヒルはダメみたいです。
普段からマツダ車に乗って峠を走っているとよく有りがちですが、ヒルクライムではターボの輸入車相手に対してちょっと分が悪かったりします。しかしダウンヒルでは車高を低く抑えたスポーツカーでも出てこない限りは、マツダの乗用車が最強ではないか?と思うぐらいにクルマの適正を感じます。その一番の理由は、マツダ車はハンドリングのスムーズさが登りと下りでも大きく変化しないことです。10年以上前に乗っていたトヨタ車はアテンザよりも200kg以上軽かったですが、ダウンヒルでオーバースピードになると、リアが全く踏ん張らなくなって、まるでゲレンデでソリ滑りをしているような弱々しい操舵感を頼りに厳しい勾配を下るときは、心臓が口から飛び出るほど恐ろしかったです・・・。
エンブレを多用するプリウスに下りで接近戦を仕掛ける人は、命知らずの大バカ野郎なので、セーフティな車間を取りつつ低速ギアの操作(近づくと3速・離れると4速)だけで追従していても全く離れません(もちろんどちらもフットブレーキは使いません)。そのため終始安定した走行でまったくタイヤを使うシーン(食い付かせる)などありません。そもそもアクセルオンのシーンすらほとんどない、「燃費を稼ぐ」走りなのでなかなか気分もいいです。そのプリウスは秩父のはるか手前の芦ケ久保・道の駅へと入っていってしまいました。その瞬間に肩の力が抜けて、「ホッとした」と「ちょっと淋しい」の相反する想いが・・・。また会えたらいいな「所沢」ナンバーのプリウス。
さて信号もほとんど無いノンストップの下りでアクセル無しの走行をしばらく続けると、だんだん体とクルマがシンクロして、ニューロンでつながれたような気分になってきます。「ステアリングと4輪」の物理的なつながりに自分の意識が取り込まれたかのような感覚と同時に、自分が運転しているのでは無いかのような絶妙なハンドリングができるようになります。こうなってくるとどんな低速コーナーでも鼻先からキレイに収まっていく感覚と、コーナー脱出時のヨー運動(揺れ戻し)が、全て次の動作のカウンターになるくらいに車体の状態がお尻や背中から伝わってきます。クローズドな直線区間が与えられたら楽に「直ドリ」ができちゃいそうなくらいです。
秩父からちょっと北上して埼玉県道11号線「定峰峠」に入ったときには、4輪が全てが完全なコントロール化にあるほどに感覚が研ぎ澄まされてきました。エグいヘアピンが続くものの、それぞれの180度ヘアピンの膨らみは大きくスペースに恵まれているので、パワースライド気味にアグレッシブに車体の向きを変えることも十分にできます(完全自己責任ですが・・・)。目的地もなくガソリンを消費して排気ガスを出すという「趣味ドライブ」を楽しむならば、この領域に入れるまで走り込まないと(そこに達するクルマでないと)、時間とお金の無駄遣いかなという気がします。もちろん「趣味ドライブ」の目的はこれだけでなく、「大事な人と心ゆくまで話す」、「音楽を楽しみながら考え事をする」、「心にひらめいた景色を求めて走る」などなどいろいろありますが・・・。
正直言ってプリウスは、どう乗り込んでも「ニューロン」的なフィーリングには達し得ない「アンチ・ドライバーズカー」だと思っていましたが、あれだけの走りを見せつけられたら、登りに関してはある程度は実力を認めざるを得ないと思います。実際にあのコースを「あれだけのペース」でこなすのは、「駆け抜ける歓び」を謳う某ドイツブランド車でも簡単ではないと断言できます(8速&ターボには不利なコースでもあるし)。プリウスのサイズ・車重・スペックは確かに峠を走るのに適した水準にまとまっています。あとはゼロ発進時のもたつきと、高回転からの加速の鈍さと、決してタイトではないハンドリングでは初コースはシビアであることと、あとは重心の高さが下りの走行性能に悪影響を及ぼすことなどが、段階的に改善されれば、トヨタ86と大きな遜色がないくらいの峠マシンになりうるかもしれません。
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2015年4月29日水曜日
ロードスター と ステップワゴン と レヴォーグ それぞれの排気量低減について
クルマ雑誌を見ていると、「スペック以上のパワーを感じる」みたいな表現がよく出てきます。メーカーがあってこその自動車評論家ですから、この一言を入れることで、とりあえずのごますりで「買っても困る事は無いですよ!」の太鼓判みたいな意味合いがあるようです。いまではゴルフ、プジョー308、トヨタオーリスが1.2Lターボになり、Cクラス、ボルボS60が1.6Lターボになり、この「前置き」無しにはレビューが成立しなくなっている様子です。しかしまあそんなこと書かれても実際の印象はだいぶ違いますし、やはりスペックは嘘付かないですね。多かれ少なかれ輸入車に対して非常に優しい日本の「おもてなし」カーメディアのリップサービスというのが実際のところでしょうが、ホンダ・ステップワゴンも1.5Lターボになって同じような扱いをして貰えるのでしょうか?
ホンダの開発者はステップワゴンに関するインタビューの中で開口一番に「日本のユーザーには排気量に対する信頼感が根強い」と言っていました。「ヒエラルキー」とか表現してましたが、要するに「カースト」であり「蔑視」です。これまで散々に中流日本人の所有欲を掻き立てるようなゴテゴテしたクルマを作ってきた挙げ句に「ヒエラルキー」とかメーカーの人が言っているのもちょっと滑稽な話です。特にホンダは軽自動車に「高級」という概念を持ち込んだ前科があるわけですから、完全に「ブーメラン」です(60万円の真面目に作った軽自動車を発売してから言うべきだ!)。
さてホンダの話はこの辺にして、「低排気量でも走りがいい!」なんてそりゃあバブル崩壊後の混乱を乗り越えてきた、どれも尊敬に値するメーカーが製品化に踏み切っているんだから、当たり前かな?という気がします。ちょっと前までは確かにレクサス辺りからパワーウエイトレシオが厳しい「失敗作」モデルもあったようですが(2.5Lでリトラクタブルハードトップの車体を引っ張るアレです)、いまでは軽自動車であってもそんなことはほとんどなくなりました。1.5Lで引っ張るにはやたらと重そうなSUVに乗ったとしても全然大丈夫です。「じゃあなんで1.5Lを選ばないのか?」というと、動力性能が必要十分かどうかではなくて別の尺度があれこれとあるからです。
現在のところ、BMWのものを除いてほとんどのメーカーが採用する1.5Lエンジンは「4気筒」のままダウンサイジングが行われています。2L直4から1.5L直4に変わったところで、エンジン重量の大幅な軽減はできませんし、むしろ1気筒当たり500ccの理想的状態から、400cc以下に変わることで燃焼効率が落ち、トルクが出しにくくなる傾向が顕著です。そこでシリンダーを工夫してロングストローク化によって必要トルクを得ようとしますが、結果的というか物理的にというか、ロングではやはり高回転までスムーズに回らない「つまらないエンジン」になってしまいます。そして何より残念なのが「4気筒」のままでは大して燃費はよくならないということです(これは誰得なんだ?)。そして使われる部品も小型車向けの汎用の外注品ばかりになりエンジンという重要部分の信頼性が著しく低下します。最近の日本メーカーは駆動系のリコールでも平気で出すようになりましたが、そのほとんどが外注部品に起因するトラブルなんだとか・・・。
クルマの設計などしたことが無いですから、偉そうなことは言えないですけど、そもそも既存のシャシーをそのまま使っているのに、エンジンだけをダウンサイジングして「何も問題ない!」と考える方が無理なんじゃないかと思います。つまり排気量を下げたいのであれば、シャシーからボディから全部一新してトータルで考えないといいクルマにはならないんじゃないの?ってことです。例えばスバルの手法を見ると、レガシィ・ツーリングワゴンの後継として「レヴォーグ」を新たに1.6Lのボクサーターボをメインエンジンに据えて開発されましたが、ここで1.6Lエンジンの実績がないレガシィのシャシーを諦め、1.6L自然吸気を既に積んでいるインプレッサのシャシーを使いました。一部の人々は「コストダウンだ!」と反発しているようですが、クルマをトータルで見た時に、インプレッサベースだからこその「1530kg」に収められた車重と考えても良さそうです。実際のところ1.6Lターボを旧式マツダアテンザのシャシーに載せた「ボルボV60T4」はFF(AWDよりも軽くできる)にも関わらず1560kgになっています(サイズはどちらもほぼ同じ!)。
同じようにシャシーを一新してクルマのトータルの重量を抑えた上で、排気量を大きく下げたのがマツダ・ロードスターなんですけども、こちらもまた「ピュアスポーツ」&「世界に轟く名門」ということで、バッサリと行われた「1.5L」化に対してますます賛否両論が燻っているようです。とりあえず既にプロトに乗せてもらっているカーメディアの提灯記事によると、ダイハツコペン(870kg)にあと120kgまで迫る990kgに減量されたボディに低速トルク十分のスカイアクティブGの特性で、なかなかの出足の良さにつながっている!みたいな好評価が全般的な印象のようです。しかしプロトタイプから、量産モデル試乗車になって、あれこれと重箱の隅をつつき出す評論家もチラホラ現れました・・・。1.5Lになって自分自身の「意中」から外れたようで、未だに「2Lも出せ〜」とガキみたいに連呼する還暦ライターを何人も見つけました。そんなド素人でも言えるコメントを残すくらいなら、欧州で実績抜群のマツダが手掛ける「ダウンサイジングの理念」について考えを巡らしたらどうでしょうか? ゴルフやプジョー308はアホの一つ覚えのように絶賛するくせに・・・。
中にはいろいろと知恵の働く評論家もおりまして、1.5Lになったマツダのロードスターをわざわざ首都高に持っていって、後方から疾走してくる大型トラックの前でスリル満点に6速AT車でちょっとだけシフトダウンしてからの加速のチェックをやってやった!と豪語しております。トラックからは「チョロチョロするな!」と警告ホーンが鳴り響き〜・・・なんて楽しそうに書いてやがります(笑)。どうも排気量が低過ぎて、ミッションではカバーできておらず、しかも6速ATの5速・6速がハイギアード過ぎて全然加速しないのでダメダメ(ATは失格!)いうのが結論みたいです。そして「ATにはターボと付けろ!」とロードスターの根幹を揺るがすような強烈な一言を発しています・・・。
このライターはいつもいつもマツダファンに対してたっぷりと「燃料」を投下していきますね。この方の手にかかれば、アテンザ「外見はジャガーで中身はゴルフ」、デミオ「背伸びしすぎで全く使えない」というようにガッツリと本質をエグられます。茶番と化しているRJCを獲ったアテンザと日本COTYのデミオってことで、この「ガチ」ライターに徹底的に嫌われている可能性もありますけど・・・・。マツダはアクセラやCX5みたいな無難な中型の実用車を作っていればいいのだ!トヨタや日産あるいはスズキの商売を邪魔してはいかん!っていう風にも読み取れます。
なんか口惜しいのでここで静かに反論しておきたいですが、つーかロードスターで高速道路走っちゃだめでしょ。以前に小田原厚木道路で日中に事故ったロードスターを見かけましたけど、可哀相なことに事故渋滞でイライラする人々の視線を遮るもの(ルーフ)もなく、夫婦そろって無表情・放心状態のままフロントシートに佇んでいました(無事でなによりですが)。温泉旅行の帰り?にこんな仕打ちはあまりにも残念すぎます。こんなにハッピーなオープンスポーツで伊豆・箱根から帰るならば、私なら西湘バイパスをロマンチックに走りたいですね。
しかしロードスターの車重でも5速(6MT)じゃ加速しないよ!っていうのはなかなか画期的なテスト結果だと思います。たしかにそうなんですよ、2L以上のクルマにこだわる人ってのは、経験的に1.5L車が高速道路で非常に肩身の狭い思いをすることがわかっています。気疲れなのか騒音の大小によるものなのか、長距離走ったときに疲労感が全然違います。去年にBMWミニがモデルチェンジして、BMWの2Lターボを横置きに積んだ「クーパーS」が登場したときは、いよいよ高速に乗れるミニになったかな?と思ったんですけど、輸入車の2Lエンジンってハッキリ言って騒音がゲロゲロなレベルです。ジャガーとかロータスとかイギリスブランドは日本のエンジンを使ってくれるので、輸入車という括りはあれですけど、ハッキリ言ってBMWとメルセデスが最悪!ドイツ車ならアウディが最も高速での負荷が少ないですね・・・。
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ホンダの開発者はステップワゴンに関するインタビューの中で開口一番に「日本のユーザーには排気量に対する信頼感が根強い」と言っていました。「ヒエラルキー」とか表現してましたが、要するに「カースト」であり「蔑視」です。これまで散々に中流日本人の所有欲を掻き立てるようなゴテゴテしたクルマを作ってきた挙げ句に「ヒエラルキー」とかメーカーの人が言っているのもちょっと滑稽な話です。特にホンダは軽自動車に「高級」という概念を持ち込んだ前科があるわけですから、完全に「ブーメラン」です(60万円の真面目に作った軽自動車を発売してから言うべきだ!)。
さてホンダの話はこの辺にして、「低排気量でも走りがいい!」なんてそりゃあバブル崩壊後の混乱を乗り越えてきた、どれも尊敬に値するメーカーが製品化に踏み切っているんだから、当たり前かな?という気がします。ちょっと前までは確かにレクサス辺りからパワーウエイトレシオが厳しい「失敗作」モデルもあったようですが(2.5Lでリトラクタブルハードトップの車体を引っ張るアレです)、いまでは軽自動車であってもそんなことはほとんどなくなりました。1.5Lで引っ張るにはやたらと重そうなSUVに乗ったとしても全然大丈夫です。「じゃあなんで1.5Lを選ばないのか?」というと、動力性能が必要十分かどうかではなくて別の尺度があれこれとあるからです。
現在のところ、BMWのものを除いてほとんどのメーカーが採用する1.5Lエンジンは「4気筒」のままダウンサイジングが行われています。2L直4から1.5L直4に変わったところで、エンジン重量の大幅な軽減はできませんし、むしろ1気筒当たり500ccの理想的状態から、400cc以下に変わることで燃焼効率が落ち、トルクが出しにくくなる傾向が顕著です。そこでシリンダーを工夫してロングストローク化によって必要トルクを得ようとしますが、結果的というか物理的にというか、ロングではやはり高回転までスムーズに回らない「つまらないエンジン」になってしまいます。そして何より残念なのが「4気筒」のままでは大して燃費はよくならないということです(これは誰得なんだ?)。そして使われる部品も小型車向けの汎用の外注品ばかりになりエンジンという重要部分の信頼性が著しく低下します。最近の日本メーカーは駆動系のリコールでも平気で出すようになりましたが、そのほとんどが外注部品に起因するトラブルなんだとか・・・。
クルマの設計などしたことが無いですから、偉そうなことは言えないですけど、そもそも既存のシャシーをそのまま使っているのに、エンジンだけをダウンサイジングして「何も問題ない!」と考える方が無理なんじゃないかと思います。つまり排気量を下げたいのであれば、シャシーからボディから全部一新してトータルで考えないといいクルマにはならないんじゃないの?ってことです。例えばスバルの手法を見ると、レガシィ・ツーリングワゴンの後継として「レヴォーグ」を新たに1.6Lのボクサーターボをメインエンジンに据えて開発されましたが、ここで1.6Lエンジンの実績がないレガシィのシャシーを諦め、1.6L自然吸気を既に積んでいるインプレッサのシャシーを使いました。一部の人々は「コストダウンだ!」と反発しているようですが、クルマをトータルで見た時に、インプレッサベースだからこその「1530kg」に収められた車重と考えても良さそうです。実際のところ1.6Lターボを旧式マツダアテンザのシャシーに載せた「ボルボV60T4」はFF(AWDよりも軽くできる)にも関わらず1560kgになっています(サイズはどちらもほぼ同じ!)。
同じようにシャシーを一新してクルマのトータルの重量を抑えた上で、排気量を大きく下げたのがマツダ・ロードスターなんですけども、こちらもまた「ピュアスポーツ」&「世界に轟く名門」ということで、バッサリと行われた「1.5L」化に対してますます賛否両論が燻っているようです。とりあえず既にプロトに乗せてもらっているカーメディアの提灯記事によると、ダイハツコペン(870kg)にあと120kgまで迫る990kgに減量されたボディに低速トルク十分のスカイアクティブGの特性で、なかなかの出足の良さにつながっている!みたいな好評価が全般的な印象のようです。しかしプロトタイプから、量産モデル試乗車になって、あれこれと重箱の隅をつつき出す評論家もチラホラ現れました・・・。1.5Lになって自分自身の「意中」から外れたようで、未だに「2Lも出せ〜」とガキみたいに連呼する還暦ライターを何人も見つけました。そんなド素人でも言えるコメントを残すくらいなら、欧州で実績抜群のマツダが手掛ける「ダウンサイジングの理念」について考えを巡らしたらどうでしょうか? ゴルフやプジョー308はアホの一つ覚えのように絶賛するくせに・・・。
中にはいろいろと知恵の働く評論家もおりまして、1.5Lになったマツダのロードスターをわざわざ首都高に持っていって、後方から疾走してくる大型トラックの前でスリル満点に6速AT車でちょっとだけシフトダウンしてからの加速のチェックをやってやった!と豪語しております。トラックからは「チョロチョロするな!」と警告ホーンが鳴り響き〜・・・なんて楽しそうに書いてやがります(笑)。どうも排気量が低過ぎて、ミッションではカバーできておらず、しかも6速ATの5速・6速がハイギアード過ぎて全然加速しないのでダメダメ(ATは失格!)いうのが結論みたいです。そして「ATにはターボと付けろ!」とロードスターの根幹を揺るがすような強烈な一言を発しています・・・。
このライターはいつもいつもマツダファンに対してたっぷりと「燃料」を投下していきますね。この方の手にかかれば、アテンザ「外見はジャガーで中身はゴルフ」、デミオ「背伸びしすぎで全く使えない」というようにガッツリと本質をエグられます。茶番と化しているRJCを獲ったアテンザと日本COTYのデミオってことで、この「ガチ」ライターに徹底的に嫌われている可能性もありますけど・・・・。マツダはアクセラやCX5みたいな無難な中型の実用車を作っていればいいのだ!トヨタや日産あるいはスズキの商売を邪魔してはいかん!っていう風にも読み取れます。
なんか口惜しいのでここで静かに反論しておきたいですが、つーかロードスターで高速道路走っちゃだめでしょ。以前に小田原厚木道路で日中に事故ったロードスターを見かけましたけど、可哀相なことに事故渋滞でイライラする人々の視線を遮るもの(ルーフ)もなく、夫婦そろって無表情・放心状態のままフロントシートに佇んでいました(無事でなによりですが)。温泉旅行の帰り?にこんな仕打ちはあまりにも残念すぎます。こんなにハッピーなオープンスポーツで伊豆・箱根から帰るならば、私なら西湘バイパスをロマンチックに走りたいですね。
しかしロードスターの車重でも5速(6MT)じゃ加速しないよ!っていうのはなかなか画期的なテスト結果だと思います。たしかにそうなんですよ、2L以上のクルマにこだわる人ってのは、経験的に1.5L車が高速道路で非常に肩身の狭い思いをすることがわかっています。気疲れなのか騒音の大小によるものなのか、長距離走ったときに疲労感が全然違います。去年にBMWミニがモデルチェンジして、BMWの2Lターボを横置きに積んだ「クーパーS」が登場したときは、いよいよ高速に乗れるミニになったかな?と思ったんですけど、輸入車の2Lエンジンってハッキリ言って騒音がゲロゲロなレベルです。ジャガーとかロータスとかイギリスブランドは日本のエンジンを使ってくれるので、輸入車という括りはあれですけど、ハッキリ言ってBMWとメルセデスが最悪!ドイツ車ならアウディが最も高速での負荷が少ないですね・・・。
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