2014年9月26日金曜日

1.5L・NAになったロードスターでは・・・

  ケータハム・セブン160はスズキの660cc軽自動車規格のエンジンを採用して話題になりましたが、やはり400万円という価格に加えて屋根付き駐車場などの高いハードルがネックになって日本のカーライフに地殻変動を起こすようなことはありませんでした。しかし注目したい点としては、輸入車なので黄色ナンバーでも日本メーカーによる自主規制値64psを超える出力が認めらるという先例が出来ました。これを使えばダイハツや三菱が海外市場で660ccエンジンのスポーツカーを発売し、OEM可能な適当なブランドと契約してそのブランド名を使えば、80ps以上の出力が使える超ライトウエイトスポーツを出すことも可能です。もちろん自主規制値を撤廃したほうが話は早いわけですが・・・。

  しかしセブンのような幌もないフルオープンなクルマで、山岳路のワインディングを楽しもうと思っても、実際のところ山の天気はとても変わりやすく、突然に大粒の雨が降り出したらなかなか悲惨な状況になってしまいますね・・・。実際に最も高い頻度で利用する中央自動車道なども東京〜神奈川〜山梨と30分あまり駆け抜けるだけで、何度も雨が振ったり止んだりする日が結構あります。やはり山国の日本では当然に降水量が多いですから、幌無しという設計自体が相当に無茶なのかもしれません。できれば絶賛発売中のダイハツ・コペンのようなボディタイプのクルマに80psの軽エンジンを積んで、北米のサイオンブランドから発売したものをそのまま日本でも売ってみてはどうでしょうか。

  コペンのボディとなると車重も900kg前後に達するので、高速道路を走っても山道を登ってもエンジンが断末魔の叫びのように悲鳴を上げてしまうのは避けられないでしょう。そういう走りになってしまうスポーツカーが許せない人にとっての、次の候補になってくるのが新型も発表されたマツダ・ロードスターでしょうか。新型はマツダの技術を結集した軽量化策を採ったようで、コペンとあまり変わらない水準まで車重を落としてきたようです。公称値はコペン870kgでロードスター960kgとなっていますが、トレッドは段違いにロードスターが広く、踏ん張りの限界は相当に上回りますから、車重を一番感じるブレーキングとコーナーリングの局面では、ロードスターの方がむしろ軽く感じられるはずです。問題はNCにはどんな急斜面でも十分なトルクを発揮できた自然吸気の2Lエンジンが積まれていたのですが、新型ではアクセラのボディを引っ張るにはやや非力すぎるような1.5Lエンジンが搭載された点です。

  先日発売された「ドライバー」誌でもチクリと言われてましたが、某イベントでサプライズ走行したNDロードスターはどうも冴えない走行音で失笑を買っていたとか・・・。やはりシリンダーのドライブ感に乏しいエキゾーストが漏れたことで、ほぼ確実にロングストロークの1.5LスカイアクティブGが載っていると断定されていました。ロードスターを買って思う存分に箱根の「マツダ・ターンパイク」で走らせてみたいと思う人もいるかもしれませんが、さすがにこれではパワー不足で少々勝手が違うのではないかという気が・・・。箱根をスポーツカーらしく走りたいならNCを急いで買うか、RX7を待つかが妥当な選択かも知れません。デミオもそうですがディーラーで借りたら取り合えず、真っ直ぐに近くのベタ踏み坂に持っていって試したいところです。

  コペンとロードスターを同じ土俵で語るのは語弊があるかとおもいますが、ダイハツもマツダもそれぞれの開発事情の中でなんとかスポーツカーを捻り出していて同じような生みの苦しみを味わっているのは間違いないはずです。そしてその過程を日本人特有?の温かい視線で全面的に肯定していくことが当然!というカーメディアが掲げるクルマ文化にはやや違和感というか息苦しさを感じます。車重を落としてさらにパワーを落とすことで、メーカーの意図するコンセプトに近いクルマが、現実的な価格で販売できるようになるという「本音」を押し隠して、メーカーとメディアが出来レースのように「スポーツカーを突き詰めた最終型がコレです!」と必死で世論を誘導しようとする部分がとても鼻について仕方ないです。

  こんなことを言ったところで何もならないのは承知してますが、新型ロードスターに対しアメリカ市場が要求したといわれる"さらなるパワーアップ"を頭ごなしに否定し、マツダの経営に負担がかからないサイズへとコンセプトへと小さくまとめたことは、マツダのスポーツカー部門自体を次のステージへとつなげて行くとは思えないです。どうもオープンカーに盲目的に憧れる年配気味の女性向けの"お買い物カー"にそもそも最大の需要を見込んでいるのではないか?と勘ぐってしまいたくなります。「売上が見込める価格に落とし込む」「お手軽オープンカーとしての需要を確保」「エンジン生産に負担を掛けない」という優先事項がロードスターの企画の大前提だとしたらなば、果たしてこのクルマはポルシェ・ボクスターなどを凌いでナンバー1の評価を得る2シーター・オープンスポーツの傑作「ピュア・スポーツ」として賞賛されるべきなのでしょうか?

  このまま1.5Lのモノグレードで発売されて、単なるダイハツコペンの上空に漂う存在になってしまうのか? 設計のことはよくわかりませんが、2.5L直4スカイアクティブGをハイオクでブン回して250ps前後に専用チューンしたエンジンを搭載した「ロードスターS」を作って、2.7Lフラット6を搭載するボクスターに真っ向から喧嘩を売ってみてはどうでしょうか? アルファロメオの1.75Lショートストロークのターボエンジン(4Cで使っているもの)を拝借するのも非常に魅力的ですが、ポルシェを名指しするならばNAエンジンで立ち向かうのが礼儀ってもんですよね・・・。
  

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2014年8月14日木曜日

お盆の深夜ドライブ・・・34スカイラインとどこまでも

  週末は台風が微妙に擦りましたがその後は平日に晴天続きだったので、お盆休みに入って早速に夜中の峠走行に行ってきました。高速5割引きが終わってしまいなんだか群馬や山梨・長野まで足を伸ばすのも億劫になり、最近では専ら「埼玉(秩父)」「東京(奥多摩)」「神奈川(箱根・ヤビツ宮ヶ瀬)」の3コースのヒルクライムでNAエンジンを上までブン回して「体調管理(メンテナンス)」をしてます。

  この日のコースは「奥多摩」にしました。学生時代から幾度と無くクルマ好きの友達に連れて行ってもらっていた勝手知ったる「地元道」なんですが、そういう道の方がむしろ「油断」が怖いかもしれません。しかも「お盆」、この世が最も死地に近くなる日とかなんとか・・・。奥多摩の山奥で事故死した多くの亡霊が還ってきています。地元では奥多摩で全裸の若い女性が歩いていたので救護してあげたみたいな話を良くききました(だいぶ前の話でしょうけど・・・)。心霊スポットもたくさん知ってますし、青梅街道の旧道(大菩薩峠)には「花魁淵」という地元民(青梅・あきる野市民)は誰も通りたくないという場所もありました。

  そんな事を考えながら青梅街道を西へ進みました。JR青梅駅前を過ぎた辺りから突如として絶好のワインディングロードへと変貌するのですが、その入口付近に差し掛かると前方に足元を青く照らす「34スカイライン」が・・・。この地域では「日産車は絶対に煽ってはいけない」という金言がありまして、とりあえず5台分かそれ以上の車間距離をとって追走します。34もこちらの存在にすぐに気がつきペースが上がりました、どうやら走ってる目的は私と同じようで、コンビニにでも入らない限りは青梅から奥多摩まで仲良く走ることになりそうです。

  34スカイラインの大きなテールランプを見ると、なんだか「刹那」「死」「儚さ」を感じてしまいます。スカイラインの開発・製造は現在は栃木で行われていますが、R32~34はこの青梅街道が通る東京都武蔵村山市で行われていたらしく、中学の同級生には親が日産に勤めているヤツもいました。その後カルロスゴーンがやって来て企業城下町・武蔵村山は廃墟になるのですが、その頃には地元では日産への「怨嗟」の声を聞くことも多かったです。たしか親が日産だった同級生が社会人になり真っ先に買っていたクルマがトヨタbBでした。

  個人的には日産に対してネガティブなイメージはほとんど無いのですが、この34スカイラインのリアのスタイリングは見る度に「背筋が凍り付く」何かを感じてしまいます。ファンの人には怒られそうですが「超絶に」ダサい・・・。せっかく気分良くドライブしているのに、こんなダサいリアのクルマに目の前をウロウロされるのは勘弁してほしいです。できるだけ車間を開けて「視界に入らない」ようにして走るのは、とりあえず合理的判断です。

  そしてこれは34に限った話ではないのですが、旧型スカイラインはドライバーの若年齢化が進んでいて、あくまで私の体感に過ぎませんが、峠での事故率が異常に高い気がします。真っ昼間のヤビツ峠の何でもないところで山肌に正面から突っ込んでいた「32」がいましたし、山梨のフルーツ公園でサイドブレーキが利かなくなった(掛け忘れ?)32が動き出して花壇に突っ込んでました。バンパーの一部分が外れて引きずったままの「33」に出会ったこともありますし、とりあえず32~34の近くで走ることは自ら非常に危険なところに身を置いているのと同じですかね。すぐに危険運転を始めそうな雰囲気がプンプンします。

  だだしその夜の34のドライバーは決して「自殺志願者」などではないようで、少なくとも緊急避難などを考える必要もないことがしばらく走っていて解りました。なんとも淀みないペースで気持ち良さそうに走っていて、もちろんアクセルを開けるポイントもしっかり心得ていて、なんだか「さあ行くぞ!付いてこい!」と言われてるような気すらしました。基本的なペースは国産のスポーツセダンにとってベストな乗り心地になる速度帯に上手くハマっているので、後ろから走る身としてはとても「ありがたい」ペースメーカーだったですね。ストレスゼロです。。全くといっていいほど閑散とした峠の青梅街道を2台で気持ちよくひた走っていると前方にはBL型レガシィB4が・・・。するとジェントルマンと思われた34が突如B4に絡み始めて何やら怪しげな雲行きに・・・。日産とスバルか・・・乙。

  B4のおかげでペースが下がりこちらも車間距離が詰まり過ぎて「貰い事故」だけは勘弁と思いつつも、前方で繰り広げられるAWDとFRの日本を代表するスポーツセダンの小競り合いを観戦。FRらしくカウンターを繰り出してシビアなラインを取る「34」に対して、AWDによるコーナーの脱出速度で余裕を見せるBLでしたが、日産車に煽られたらとりあえず譲った方が無難と判断したようで、待避して私(アテンザ)の後ろに回りました。「34」は低速区間を抜けると予想通りダッシュを開始。FRなのでアクセルオンのタイミングはこちらよりもワンテンポ早いのですが、こちらの方が10年も新しいクルマなので、FFの中間加速でも十分に追従できます・・・速度はよく覚えてないですが、まあNA同士のスプリントなんてカワイイものです。後ろに回ったレガシィもAWDを駆使して懸命に追ってきます・・・日本を代表するスポーツセダン3台が揃って走るなんてなかなか楽しい夜でした。

  34、BLレガシィ、GHアテンザ・・・・おそらくみんなクルマ難民です。現行のスカイラインやアテンザそして新型レガシィB4では「夜の奥多摩」はやはりデカ過ぎて重過ぎるので楽しめないですね。3モデルいずれも現行ではブレーキ性能が下がっている(条件にもよるけど)という指摘もあるので、その点でも峠ユーザーは完全に置いていかれています。さっさとフェアレディZ、BRZ、ロードスターに乗り換えろってことですかね。そういうキャラ(スポーツカー乗り)じゃないから買い替えないのですけど・・・。「WRX S4」ももちろん結構なんですけど、300psのターボは奥多摩じゃ実用性低いです。あんまり調子に乗って走るとたぶん壁に刺さります。最近のスバルはブレーキが一段と悪いようですし。マツダ車の感覚で乗ったらすぐに自爆でしょうね。ブレンボなんぞに頼らず自分で作ろう!

  埼玉・神奈川・群馬では下り急勾配からのヘアピンには必ず「注意喚起」がありますが、東京・山梨では何も無しのところが結構多くて困ります。常に想像力を働かせてアクセルを踏み、クルマをいかなる状況でも止めれるようにコントロールできてないとダメで、それでも予想以上にブレーキングやハンドリングで車重を感じてしまうと、「もうタイヤが寿命か?」なんて言い訳しながらなにげにヒヤヒヤものだったりします。とりあえず出力は150~180psで十分(NAじゃないとダメです)。86を無理矢理230psまで上げるなんて峠好きに関しては必要ないように思います。

  あとはサイズが大き過ぎず、重心が低くて車重1400kg程度に抑えこんであって、各社渾身の熟成されたステアリングシステムが採用されていれば十分に候補になると思うのですが、ハッチバックかスポーツカーに乗れ!みたいな世知辛い雰囲気を各社からプンプン感じてしまいます。発売するなら今が絶好のチャンスだと思いますが・・・。


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2014年7月24日木曜日

マツダRX-7復活はやはり本当らしい!!!

  ちらほらと噂は聞こえていたのですが、海外メディアでも報じられるようになったようでいよいよ2017年のRX-7復活は本当に実現する運びになったようです。ただしFD3Sのような300万円台というわけにはいかないようで、フェアレディZよりもワンランク上の価格帯になるようです。それでも完全にスーパースポーツになってしまったGT-RやNSXがポルシェ911をターゲットにした性能&価格に設定されているのに比べれば、いくらか現実的な価格に収まりそうです。

  ポルシェの廉価版スポーツカー「ケイマン」の価格帯(600万円前後)にもあらゆるジャンルの新型スポーツカーが続々登場していますが、どうやらマツダもここに商機を見出したようです。「エコカー補助金」で日本メーカーが熱狂していた2012年に発売されたポルシェ・ボクスターは日本でも事前予約が殺到するなどなかなかの盛り上がりを見せました。私もその頃に現在の愛車を買ったので、アホみたいにドライブを重ねて毎週のように給油していたのを思い出しますが、長野県の美ヶ原高原美術館の広い駐車場で、愛車のボクスターを夢中になって撮影していた40代くらいオッサンを見かけました。

  関東近辺の有名な峠ルートを駆け抜ける度にボクスターはよく見かけました。他にも箱根に直結する西湘バイパスを走れば、アウディTT-SやBMW Z4の35i辺りが、急峻な関東山地を走るのにピッタリのスペックみたいですね。価格帯はいずれも600~700万円くらいで、別荘などを買ってしまう層からしてみたら、普通のクルマで高級別荘地に乗り入れるわけにもいかないでしょうから、これくらいの有名ブランドのスポーツモデルが、日本のタイトな峠道にも対応できて、所有欲も満たされるベストな1台なのかもしれません。

  他にもややマイナーなブランドを好む人に愛されているロータス・エリーゼや、質実剛健なデザインを好む人にはBMW135iクーペなどが選ばれているようです。東京〜箱根・軽井沢・清里の1時間30分程度の移動ならば、それほど大きなクルマでなくても耐えられる・・・しかし帰りの東名・関越・中央の渋滞はかなり酷いですけど。東京で働く人の仕事が事務的なものからクリエイティブなものへと変化しつつある中で、職場と自宅の往復だけではストレスどころか仕事そのものが成り立たなくなってきてます。海外旅行に依存し、映画や読書に依存し、自分のクリエイティビティが枯渇しないように気を付けてます!と繰り返し述べてるだけのビジネス本が良く売れてたりします。

  何が言いたいかというと、これからも東京周辺の別荘は売れるだろうし、そこへアクセスするスペシャルティカーも売れるんじゃないか?ということです。「孟母三遷の教え」じゃないですけど、住む場所や乗るクルマによってその人のポテンシャルは大きく変わってくるのは間違いないと思います。バブルはとっくに終わり、いよいよ仕事の質が求められてくる時代には、いくら体力自慢だからといっても毎日長時間の満員電車通勤を強いられ、休日は混雑する街中をショッピングセンターまでエコカーを往復するといった生活を送っていては、その人のポテンシャルはどんどん小さなものになっていくのではないかと思います。

  渋滞にハマれば苦痛でしかないスポーツカーに乗っていれば、休日も早朝にそそくさと起き出して起動できますし、なるべく渋滞を避けようと考えるので人とは時間の使い方が全然変わってきます。自分のクルマが「見せたいクルマ」か「見せたくないクルマ」かでフットワークは断然に変わってきます。そして乗っているクルマが世界中で素晴らしい「工芸品」として賞賛されるクリエイティビティの塊ですから、それを物差しにいろいろなクルマを測ることができます。これから活躍しようとするクリエーターにとっては、目先の「燃費」に囚われてア◯アやフ◯ットに乗っているというのは、人生の無駄でしかなく自分の首を絞めるのと同じことにすら思えます。

  マツダ車を作っている人達は、それこそ世界最高水準のクリエイティビティを求められるわけです。そんな彼らが日々の生活でいろいろ苦しみ、渇望するのもまた自分のポテンシャルを広げてくれる刺激に溢れたクルマなんじゃないかと思います。マツダのハンドリングやディーゼル&MTの加速よりもさらに高いレベルの刺激が欲しくなるんじゃないでしょうか? やはりマツダはポルシェを超えて行かなければならない!なんて思ったかどうか知らないですが、いよいよ再びポルシェを追撃するスポーツカーの開発に乗り出すようです。

  今後の日本でさらなる需要が見込まれている、600万円クラスのスポーツカーですが、日本車がこの辺の需要に全く対応できていないという点も輸入車ブランドにとってはささやかな切り込み口になっているようです。メルセデスA45AMG、アルファロメオ4C、プジョーRCZ-Rなどなど、続々と新型モデルが日本に上陸しています。別荘地が広がる山岳路を走るにもってこいのランエボ、WRX、フェアレディZといったモデルは、バブル期からのイメージを引きずっていて「若者のクルマ」という偏見がありますし、86/BRZやロードスターには「ラグジュアリー感」「絶対的パワー」が不足しているという指摘があります。

  日本メーカーも当然にこの需要を認識しているようで、マツダRX-7以外にもホンダシビックtypeRやトヨタ新型スープラなど、明確にこの市場を狙ったモデルが複数登場するようです。「東京で働き続けるためのスペシャルティカー」としてどれだけの支持が得られるのか?ブランド力、動力性能、ラグジュアリー感など押さえるべきポイントはたくさんありますし、どれだけ「刺激的」なクルマになるのか? コペンやロードスターとはまた違う世界観でマツダ・トヨタ・ホンダがどれだけやれるのかに注目したいと思います(あと貯金も・・・)。


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↓最新のC7コルベットよりも、2代前のC5の方が断然にデザインが優れてます!FDオマージュ!

2014年4月7日月曜日

ランエボX 「いよいよ生産終了までカウントダウンだそうで・・・」

  まあある程度は予想していたことではありますが、三菱がいよいよランエボの開発終了をアナウンスしました。現行の「エボX」を残り2~3年だけ販売するのだそうですが、その後は開発資源をEVやPHVに集中投入して、実用性の高い次世代車を作るブランドに特化するのだそうです。さてさて「ランエボ貯金」でも本格的に始めなければ・・・。

  三菱が世界に誇るスーパースポーツ「ランエボ」。WRCに参戦してその知名度を高め、戦前の戦闘機開発時代から三菱をライバル視してきたスバル(中島)が、同じフィールドに上がって挑戦状を叩き付けたあたりから、日本でも非常に盛り上がりを見せた印象です。いまでも欧州でも北米でもターボスポーツカーの代名詞的存在なのですが、なぜか日本では人気の下降に歯止めがかからずフェードアウト気味でした。

  皮肉なことに、こんな状況へと追い込まれた1番の理由はやはり「漫画」の影響なのかなという気がします・・・。「頭文字D」で登場するランエボは「誰が乗っても速いクルマ」で、乗っているドライバーはみんなクルマの性能を過信して負けるというパターン。もちろん須藤京一や小早川のような存在感のあるドライバーもいましたけど、「ランエボ軍団」とまるで「鬼」がやってきたかのように作中で嫌われたクルマでしたね。作者にはどういう意図があったのかわかりませんが・・・。

  要するにまともに日本の山岳路で走れば、ランエボが一番速い。特に須藤京一のように軽量なエボ3をベース車にすれば、RSで1190kg!ですから驚異的なクルマです。サイズは今のカローラアクシオとほとんど同じで5ナンバー。270psの4G63ターボ搭載でAWDなのに、車重がカローラアクシオとほぼ同じって・・・。今のクルマならだれでも危険なく峠を走れますけど、こんな危ないクルマだったら毎日でも峠に通って練習しないとまともに走らせられないわけです。それでもガソリンが80円とかいう時代だから満タン入れても5000円もしないというお手軽な趣味として「スポーツ走行」が成立していたようです。あ〜うらやましい限りです・・・。


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2014年3月25日火曜日

BMW M2 いよいよ「リアル頭文字D」

  頭文字Dの最強マシンに挙げられている日産BNR34GT-R。知らない人のために紹介しておくと、主人公のAE86と同じチームの「もう一人の主人公」がFD3Sを操るのですが、その対戦相手として登場。相手のドライバーは伝説の「ゴッドフット」で峠仕様のフルチューンを施したFD3Sに、なんとほぼノーマルのBNR34GT-Rで互角以上の勝負に持ち込むというストーリー。

  そもそもこの漫画には「溝落とし」などフィクションが多分に含まれていますけど、クルマの力関係に関してはやたらとリアリティを持たせる傾向がある(主人公のAE86だけは別格だけど・・・)。そんな作者が「フルチューンFD3S」と「ノーマル34GT-R」が互角の性能と判断するほどの当時は別格と言えるマシンだったようです。

  以前このブログで、BMWの新型M3/M4が34GT-Rの復活だ!とか言っていたのですけど、よりタイトなサイズのボディになった「M2」というのが来年にも欧州とアメリカで発売されるみたいです。直6ターボ(380ps)ってなかなか「頭文字D」に出てくるR32みたいなスペックですが、これで「妙義山」とか全開で下るのはやっぱり怖いな。あの峠はやたらとに見通しが悪くて、ビビリの私にはどうも苦手です・・・。

  このM2の見込み販売価格がおよそ850万円!ちょっと高すぎ・・・。もっとお手軽なモデルが有っても良さそう。日本メーカーは一体何をしているんだ?となりますよね。もちろんスバル&三菱からは現行がスタンバイしていて、他はシビックtypeRが2016年?MSアクセラが2017年?辺りになるようです。86のスーパーチャージャーモデルが販売店の企画で限定発売されるようです。現実的に期待できるのは新型フェアレディZが直4ターボになって高性能版が設定されることでしょうか。

  最近ではポルシェもライバルメーカーの小型スポーツカーの高性能化に刺激を受けているようで、ボクスターとケイマンに第三のグレード「GTS」を発表しました。340psをミッドシップから発揮する軽量スポーツで、フロントエンジンのAWDで360psを発揮する「A45AMG」や「TT-RS」と同等以上の性能が出せるレベルというのがコンセプトのようです。

  これらのクルマを全部ライバル車にして、新しい「頭文字D」始まらないですかね。主人公はトヨタ86に乗っていて、「ロータスエリーゼ」「ロータスエキシージ」「アルファロメオ4C」「アウディTT-RS」「A45AMG」「M2」「ケイマンGTS」「フォーカスST」「ゴルフR」などと対戦して、これらのクルマの弱点をことごとく晒してくれる内容を期待したいですね。

  
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2014年3月11日火曜日

ケータハム・セブン130は日本に何らかの爪痕を残す?

  クラシカルな車体に走るための最小限の装備だけを付けて、それでも淋しいからか2座になっていて2人で楽しむことができるスポーツカーが日本で発売されました。英国ケータハムが日本の軽自動車規格を使って、新しいスーパーセブンを作りました。日本仕様だけしっかり64psに抑えていて、海外仕様は同じエンジンで80ps超を出すのだとか。使われるのはスズキ製の軽自動車のエンジンだそうですが、やはり軽自動車の660cc3気筒エンジンてもっとパワーだせるんですね。

  さてこの「セブン130」ですが、軽自動車のエンジンだからといっても車重はたったの490kgです。単純に考えると今年発売が予定されているホンダS660と比べると相当に速いクルマになるようです。ドイツ・モーター誌によるハンドリングがすばらしい小型スポーツ車の比較で見事に、ポルシェケイマン、ロータスエキシージを抑えてナンバー1に輝いていました。輸入車で日本の峠道を走らせたら楽しいだろうなと思われるケイマンとエキシージよりも上ってなんだかスゴいマシンが再発売されたんだなとワクワクします。

  まず何よりもすばらしいのが、車重の軽さ故に実現可能な、それほど固くないのにしなやかに曲る足回りなんだそうです。ケイマンにしてもエキシージにしても1300kg程度の車重があり、往年のRX-7なんかもこれに近い数値でしたが、これだけ車重があるクルマの回頭性を良くするためには、足回りをガチガチにするより方法はないわけで、乗り心地はそれなりに犠牲になります。世界中のスポーツカーが同じような設計に収束しているわけですが、そこから抜け出た存在のこのセブン130は、さすがは欧州伝統のモータースポーツが生んだ英知というべきでしょうか。

  さてこのクルマがとてつもない個性と戦闘力をもったスポーツカーだということは分かるのですが、ルーフすら一切付いていないクルマで天気の変わりやすい日本の山岳路に行っても大丈夫なんですかねという疑問はあります。それと同時に青空駐車場で保管することもできませんし、一切のラゲッジスペースがないですから、一泊二日の温泉旅行に行く訳にもいきません。あくまで晴れた日中にあまり都市部で渋滞しない時間にお気に入りのドライブコースまで移動し、さっさと帰ってこなければいけません。

  それでも東名〜小田原厚木道路〜toyoターンパイクみたいな高速ルートを疾駆したらスリル満点で楽しそうだなと想像できます。帰りは西湘バイパス通れば開放感あふれるドライブができそう。もちろん同じ行程をマツダ・ロードスターで走ればいいわけですけど・・・。333万円という価格設定が絶妙で、自動車税を考えると10年トータルではロードスターよりも出費が安くなりそうですね。屋内駐車場が必要なのはどちらも同じですし。本来はこの手のクルマはマツダ・ロードスターのふるさとである、雨が少ない瀬戸内海沿岸で乗るのが正しいのでしょうね。ドイツにはEV仕様のセブンもすでにあるそうで、これもなかなか面白そうですね。


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2014年3月4日火曜日

WRX STIのことなんてどうでもよくなっているスバル。

  漫画「頭文字D」では最強クラスのマシンとして登場したスバルWRX STIがいよいよ絶望的な状況に追い込まれている。・・・そんな気がしているのは私だけでしょうか。限定モデルの「S」ならば瞬く間に売り切れるのだけど、ノーマルのWRX STIにはクルマとして選ばれる土台を持っていない。いくらハイスペックでお手軽なクルマだからといってもデカいハネを付けて走ることそのものに抵抗を持つ人だっているし、車体カラーを選べない不自由さだけで断念してしまう人もいるだろう。

  クルマとしてのライフサイクル=寿命が尽きた。これは次期WRXを心待ちにするファンの皆様に対して大変失礼な言い分だとは思うが、300万円台であれだけのスペックを誇りながらも少しも欲しいという気持ちが起こらないクルマはやはり異常と言う他ない。たとえ400万円台でもBRZ tSにはもっと現実的な興味が沸いたし、新しいレガシィも300万円台でもかなり前向きに検討したいクルマだと感じる。

  2007年にスバルはWRX STIをハッチバックのみで登場させた。この時点でのスバルの判断はとても正常だったように思う。しかしスバルの正常な判断に付いてこれなかったのが従来からのファンだった。スバルディーラーにセダンタイプの復活を要望する声が次々と寄せられ、スバルも否応なしにセダンを後から設定した。この瞬間にこのクルマの寿命は尽きた(のではないか?)。ファンが付いてこないクルマを作ったスバルも悪いが、脳内のイメージを書き換えられなかったセンスの無いスバルファンもまた同罪だ。

  マツダを見てみればいい。MSアクセラにセダンを設置してくれなんて声はほとんどないだろう。マツダファンはアクセラというクルマを十分に客観視できているからだと思う。それに引き換えスバルファンはどうだ。いい年したオッサン達がスバルの考えとは全く反対の方向へ、WRXをパワーアップしろと大合唱を繰り返している。300ps超のえげつない出力を発揮できる高性能なタイヤを自分のクルマで履きこなすわけでもないのに、400psまでパワーを上げろと真顔で言っているのだから呆れる。

  理由は単純。BMW MやアウディRS、AMGに劣る出力のクルマではショボく見えるから。全くもって意味不明(というほどでもないけど)。パワーが無いからと言ってもレクサスやマツダがショボいのか? もうスバルにとっては新型WRX STIを発売するのが憂鬱でしかないだろう。もうスペックの概要も決まっていて、320ps程度に落ち着こうと決まっているのだから、発表と同時に集中砲火でボコボコにされるのが目に見えている。

  BRZ STI tSなどをみると、「大人のBRZ」というコンセプトを無理なくトレースし、力むことなく素直に良質なインテリアを持つクルマを作れている。これくらい自由にできる気軽さが、WRXにもあればいいのだが、プレッシャーというよりも「やけくそ」に近い気持ちで作らざるを得ない状況を想像してしまう。いっそのこと「大人のWRX」と言って限りなく上品に仕上げてやればいいんじゃないかと思う。見た目は大人でも内面的に大人でない、WRXに文句バンバン言っているオッサン達にはもったいないくらいのクルマ作っちゃってよ!とエールを送りたい気分。


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↓スバリストってインテリが多くて頭固そう。こんな本を読んで悦に入って、ジャズ解った気になって語り始めて、チック=コリア辺りを批判してそう。ハービー=ハンコックは正義だとか、ジャコ=パストリアスこそが天才とか言い出して、ブラッド=メルドーをこき下ろす・・・。

2014年2月27日木曜日

RX-7復活?という噂に踊らされる

  マツダの「スカイアクティブテクノロジー」は量販車の性能を効率的に引き出す技術革新で、専門家筋の評価も上々で自動車業界も大注目です。マツダの開発者はこの結果にある程度は満足しているでしょうが、まだまだ燻る思いがあるようで、アテンザの発表会の席上で「次はスポーツをやります!」とひときわ大きい声での挨拶があったとか・・・。かつてのマツダが作り上げた名車RX-7をポルシェ911のように、半恒常的なラインナップとして販売し、スポーツメーカーとしてのマツダを再興したいという想いがそう発言させたのだと思います。

  2000年代は峠で走れない偽物スポーツカーが跋扈した時代でした。峠で走るより信号が多い都会の道でよく見かけるスポーツカーがとても多くなりました。メルセデスSLKやBMW Z4といった峠をまともに走れないメタボスポーツカーは、平坦な道を好むドライバーが多い印象です。そんな疑似スポーツカーに混じって栄光のピュアスポーツ「FD3S」が街中をノロノロ走っているのを見ると悲しくなります。渋滞にでもハマったら燃費はとんでもないことになりそう・・・。

  おそらく本当は思う存分FDを乗り回したいのでしょうが、経年でなかなか元気に走ってくれないという事情もあるのかもしれません。何かの記念日くらいにしかエンジンに火を入れないなんてオーナーもいるほどで、まるで貴重なコルトレーンのレコードに針を落とすのがもったいないという気持ちと同じようなものになっているようです。スポーツカーなんて走ってこそ価値があるのではと思うのですが。

  早い話がマツダがさっさとRX-7を復活させればいいんじゃないかということなんですよね。2002年の生産終了から12年が経ちますが、その間にFDを完全に上回るスポーツカーは遂に現れませんでした。一番近いところにいたS2000も生産中止に追い込まれ、社会全体もスポーツカーなんていらないという時代が続き、人々はSNSやオンラインゲームに夢中になっていったので、ますます復活させにくい状況へと突き進みました。マツダの経営も2000年代の後半には悪化の一途を辿りました。

  しかし2012年頃からやや風向きが変わり、ネットやゲームに飽きた人々がクルマに向かう時代が来たのでは?と個人的には感じています。東京MSも東京オートサロンもクルマ離れなんてウソのように客足は伸びていて、新車販売も2002年以降では最高の水準まで急速に回復しています。住んでいるマンションの駐車場も空きがこの1年でどんどん埋まりました。以前よりも若くしてかなりの月収を得られる仕事も増えていて、高いスキルを持つITエンジニアやネットビジネス経営者ならば、高収入とクルマを楽しむ時間の両立ができるようになったのも大きいと思います。

  大学の頃にかなりクルマに対する憧れがあり、働きだしたらRX-8を買おうと思ってました。しかし想像以上に社会人の拘束時間は長く、クルマに乗る暇もないし、ディーラーに足を運ぶ余裕もないくらいでした。それが今では大学生の内からネットで起業みたいなことが割と低リスクでできる時代なんですよね。若者が免許取っていきなりマスタングを新車で買うみたいなケースが結構あるようです。

  もしRX-7のような400万円程度で最高に楽しいクルマがマツダにラインナップされていれば・・・なかなか皮肉なことです。現行のアテンザやアクセラはいまいち気持ちが動きませんし、他のメーカーもそうですが、日本車はいろいろな意味でもう少し「過激」な部分があってもいい気がします。初代フーガやレクサスGSに設定されていたV8搭載モデルが無くなったとたんにフーガもレクサスGSもクルマとしての魅力が一気に冷めてしまいましたし、クラウンマジェスタも同じ運命を辿るでしょう。

  マツダが本気でRX-7を復活させるかは未定ですが、マツダの開発者はやりたがっていますし、マツダはメインエンジンとしてのロータリーの開発を継続していると認めていますし、いまだにRX-7くらいキャラの立ったスポーツカーの決定版と言えるクルマが出て来ていないという現状(ケイマンもZも役不足!)と、あらゆる条件は揃っているように思うのですが・・・。


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↓イニDのサントラはこれ1枚に尽きますね。あとは蛇足か駄作

2014年2月11日火曜日

トヨタ86を生み出したトヨタ&スバルは偉いと思う理由。

  2012年の発売当初から大きな反響で、瞬く間に日本の風景の一部になったトヨタ86。クルマ好きにはいろいろなタイプがいるので、このクルマの評価は千差万別でプロのジャーナリストの間でも毀誉褒貶が激しいです。何より温度差がとてつもなく大きいので、クルマ好き同士の会話では最初の内はあまり言及したくないクルマだったりします(ちょっと気まずい)。ところが発売から2年近くが経過しようとしているが、ここに来てこのクルマの不思議な力に気づかされることがあります。

  いろいろなしがらみがあるのでしょうが、プロのジャーナリストやレーサーのかなりの人数がこのクルマを実際に購入しているようです。そして面白いことに、彼らがこのクルマに対して愛憎のこもった不思議な想いを語ることをこの1年あまりでよく目にしました。もしかしたら「ステマ」かもしれないですが、彼らのコメントに共通するのは、このクルマが持つスペックそのものを語るのではなく、このクルマがどんな十字架を背負い生み出されたかについて訴える内容が多い(だから私は買ったんだ!と・・・)。

  自動車産業に関わるジャーナリストとして、クルマを取り巻く状況が大きく変化しつつあり、彼らの仕事にも大きな影響が出ていて今後にも大きな不安を感じずにはいられない、しかしそんな暗澹たるクルマ業界を変えたいというトヨタの想いに「共感」したという主旨だったりする。中にはいつからこの人はこんなに「社会派」なコメントをするライターになったの?みたいな方がいたり、なんでCR-Zの時は擁護しなかったの?というツッコミも思いついたりするのだが・・・。もしかしたらCR-Zを守ってやれなかった懺悔か?

  ジャーナリストという立場でクルマの優劣について主体的に語ろうとしないで、社会情勢を楯に読者にクルマ購入を奨めるなんてまったくのモラルハザードじゃないかという気がしないでもないけど・・・。お金を持っていて86を買ってもいいかなと思っている方々へのメッセージなのだからそんなに目くじらを立てる必要もないかも。正直言って「AE86のスピリットを21世紀に伝えたい」というトヨタの掲げるお題目はまったく響かないです(世代も違うので・・・)。けれどもジャーナリスト達が必死に訴える「スペシャリティカーの危機的状況」を背負うクルマなんだという「ストーリー性」には多くのクルマ好きのハートが「ぷるぷる」きてしまうはずです。

  誰しもが「何じゃそれは?」と思っていたトヨタの「目論み」は完全に空振りに終わったはずでした。発売前からそれを予見(揶揄)する声は無数にありましたし・・・。しかし結果的には、トヨタが意図的に発したものとはひと味違う「ストーリー」が多くのユーザーの心を見事に打ち抜いたわけです。さらに凄いなと思うのが、私自身もこのクルマが出て来て以降「ぷるぷる」が止まらないんですよ・・・。アテンザ、レクサスIS、アコード、アクセラ、レヴォーグ、インフィニティQ50・・・次々と登場する日本車に魂がゆさぶられ続けてないですか?

  いまでも街行く86のドライバーを見かけると「ぷるぷる」来ちゃったのかな?なんて微笑ましく見てしまいます(決してバカにしてないですよ!)。おそらくこのクルマのオーナーは10中8, 9良い人ですよね、たぶん・・・。


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2014年1月30日木曜日

BMWの峠スペシャル? BMW M235i

  日本の漫画・アニメの欧州での人気は凄いらしい。イニシャルDの欧州での人気を象徴するかのようなクルマをBMWが作ってきた。厳密に言えば先代モデルも全く同じようなコンセプトなのだが、BMW M235iのようなクルマは今の日本車には全く見当たらないが、伝説の日本の名車をそのコンセプトの中心に置いているのがスペック表を見ればよく解る。BMWの開発者達はやはりオタクでイニシャルDが好きなのだ。

  イニシャルDといえばトヨタAE86が主人公のマシンとして知られるが、車重1000kgにも満たないNAのFRスポーツはどうしてもBMWの範疇には入らないらしい。ドアの重さからしてBMWのクルマとして再現するのは不可能らしい。しかしこの漫画にはAE86とは対極の存在として最強のマシンとして描かれている名車がある。それはマツダRX7FD3Sではなくて・・・、茨城県のパープルシャドウというチームで登場する日産のBNR34スカイラインGT-Rだ。

  R34とBMW M235iのスペックを実際に見比べると、なんと見事なまでにそのコンセプトが再現されているのに気がつく。全長・全幅・全高・車重のいずれも完璧に数値が一致こそしていないが、ほぼ同じ水準に収められているのはとても奇妙だ。そして今回いよいよBMWは日産のRB26DETTへのオマージュといえる直列6気筒「ツインターボ」エンジンをこの2シリーズにも大々的に投入し始めた。先代のシングルターボと比べて僅か20psのアップに留まるが、なぜわざわざ面倒な小変更をこの下級グレードのモデルで行ったのか? これは明らかにBMWのエンジニアが意図的にスカイラインGT-Rを再現しようとしたからではないか?

  ドイツ人はR35GT-Rよりも、日産の第2世代スカイラインGT-Rの方が断然に好きなんだそうだ。特にドイツ国内でも正規販売が行われたBNR34スカイラインGT-Rには多くの熱狂的マニアがいるらしい。メルセデスやBMWが重量がある高級スポーツセダンばかりをトップエンドに据えていた頃、アンチポルシェのドイツ人はリーズナブルなスーパースポーツセダンであるスカイラインGT-Rの走りに感動し歓喜を持って迎えたのだとか・・・。そしてBMWはあのポルシェにも対抗したセダンベースのスーパースポーツ(BNR34)に深く畏敬の念を持ち、その設計思想が失われないように自社のラインナップに加え、そしてよりBNR34に近づくために軽量化とエンジン機構の改良に励んだのだろう・・・。とてもいい話である!

  そうしているうちにBMWはスカイラインGT-Rがとても好き過ぎて、今度は疑似のアテーサE-TSまで開発して2シリーズをAWD化し始めるかもしれない。もはや絶滅すると言われていた直列6気筒を残して、燃費の悪化も厭わずにツインターボ化を敢行。しかも3気筒ごとに1つのタービンという日産式をわざわざ採用。もちろんトヨタと連携している手前そんな秘めたる想いは一切発表などされないだろうが・・・。そしてさらなるハイパフォーマンスバージョンとして新型M3/M4も超絶ツインターボでセダンベース車の限界を突き抜けるのだとか・・・。こちらはサイズが大きいのでBCNR33スカイラインGT-Rということか?イニシャルDでは失敗作だと酷評されていたが・・・。


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2014年1月17日金曜日

峠で徐行するトヨタ86は街から出るな!

  東京都郊外の多摩センター付近は深夜になると交通量がめっきり減り、適度なアップダウンが楽しいルートが広がっていて、帰宅後の気分転換のドライブにはもってこいの場所です。最近ではドライビングカーとしてトヨタ86が広く受け入れられているらしく、1台も見かけない夜はないくらいになりました。先日は信号待ちをしていると、側道から入ってきた86が突如右折し始めました。

  進む先は一方通行の逆走であり、「アイツはアホだな・・・これだから86乗りは」と思ったのですが、右折すると見せかけてそのまま交差点の真ん中で270°ターンをテールスライドしながら決めて左折して走り去っていきました。あまりの見事さに思わず「ブラボー」拍手喝采でしたね。それにしてもキレイな定常円旋回でした。もちろんドライバーが凄腕なんでしょうけど、86の重心の低さとサスの固さで、無茶な回転でも破綻せずにスムーズに立ち上がるので、タイヤこそ滑らせていますが制御できる限界はもの凄く高いんだなと見ているだけで分かりました。

  シルビアでは横方向のタイヤへの入力を抑えられず、ターンを止めた時にはお尻がブレブレになる気がします。20年も前のクルマなのでそれも仕方のないことですけど。86の圧倒的な運動神経の良さを見せつけられた次の日に、峠道を気分良く流していると前方に一台の86が極めて低速で道を塞いでたりします。1.5車線の峠道なので仕方ないのかもしれませんが、見通しが付く区間でもムダにブレーキランプをちらつかせて、鬱陶しい限りです。

  ほかのクルマの邪魔になるスポーツカーって一体何なの? そもそもスポーツカーとはコースの条件が厳しければ厳しいほどに一般車との実力差を拡げるように設計されているんじゃないの? なんでわざわざ信号が無い山岳路を楽しく走ろうとやってきているのに、昼間の青梅街道よりも遅い速度で走らなきゃいけないの? つーか信号でトロトロ走るのが嫌だから埼玉の山奥まで来ているんでしょ? そんな速度なら街中走っているのと同じなんだからわざわざ出てこなくていいよ「練馬」ナンバーさんよ・・・。ちなみに若い男性ドライバーでした。

  

2014年1月8日水曜日

マツダ・ロードスター NC引退でショートストロークは最後か?

  マツダがNCロードスターの仕様をさりげなく変更してきました。マツダのディーラーではアクセラ祭りの真っ最中なので、「ロードスターのマイナーチェンジ」なんてどこにもプロモーションしてないのが残念ですが、いよいよ(NCを買うべきか)決断の時が確実に迫っています。ロードスターというクルマが生活にどれだけ役に立つのか?と考えると「86でも・・・」という気持ちがふつふつと湧いてしまいます。

  RHTの新古車が250万円で手に入るようですし、ディーラーにも「86と迷ってる」と伝えれば勝手に頑張ってくれそうな気もします。アテンザを使っている私の用途は「乗車定員」という意味ではほぼ100%をロードスターでも代用できるので、やや過走行気味のアテンザを補完する目的は十分に達せられそうです。しかし長距離が・・・という想いが頭を過りますね。

  ロードスターは遁世地に庵を結んで、麓の街まで滅多に人の通らない農道を片道1時間くらいかけてシャトルするのには最適なクルマだと思います。東京近郊でスポーツカー乗るならポルシェか86にしておくべきですね・・・。やはりロードスターは片側二車線の道路では背が低過ぎて、逆に危ないなと環八などを走ると感じます。

  その一方でタイトな低速コーナーが連続する峠道を1200kgのボディには十分過ぎるパワーの2Lエンジンで駆け上がっていくなら最高のクルマです。しかし次期ロードスターは1.5Lのアクセラのエンジンをチューンして採用する見通しで、MTのRSで130psくらいの出力に抑えられてしまうようです。NDロードスターのセールスコピーは「原点回帰」なんて文字が踊りそうです。

  NCロードスターは正直言ってあまり良いデザインだとは思いません。しかしよく見ると意外に飽きがこないですし、リアの独特のデザインは丸みがありとても美しいですし、4輪のフェンダーを軸としたボディの躍動感もいいですね。そして何よりマツダの名機MZRの2Lエンジンが積まれています。マツダの応答性の高いアクセルレスポンスに最大限に応えられるショートストロークエンジンです。

  あまり好ましいことではないですが、高速道路で後ろから追い越し体勢に入ったオデッセイやBMW320を待ち構えてからスピードを上げると、追い越しを断念させることができるほどでリミッターまで良く加速します。これが現状のアクセラ1.5Lのエンジンならば150km/hあたりで頭打ちになってしまいます。ロードスターで高速道路は使わないと割り切って考えれば問題ないのかもしれませんが、それならS660で良くない?ってことに・・・。